007映画に登場したヴィランのクルマでは一番人気！ランドローバー・ディフェンダー「ビッグフット」が競売に登場予定、落札価格は最高で3000万超の予想

｜　現存するのは世界に7台、しかし今までにこのディフェンダーが売りに出されたのは1度だけだと思う　｜

おそらくは予想落札価格を大きく超えての取引になると思われる

さて、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの開催にあわせて多数のレアカーがオークションに登場する予定ですが、今回紹介するのは2015年のジェームズ・ボンド映画「007 スペクター」に登場したランドローバー・ディフェンダー。

007映画には数々のクルマが登場し、ボンドカーのほかにも魅力的なヴィランのクルマも数多く見られ、このディフェンダーもその一つです（ぼくとしては「007 / ダイ・アナザー・デイに出てきた、ザオの駆るジャガーXKが一番記憶に残る）。

スペクターの撮影に使用され、生き残ったディフェンダーは7台

このビッグフット仕様のディフェンダー110は、まずジャガー・ランドローバーのカスタム部門であるSVO（スペシャル・ビークル・オペレーションズ）によってベースが製作され、その後ボウラー（Bowler）によってさらなる改装が施されたもの。

雪上チェイスシーンで使用するべく、ヴィランの移動手段として合計10台が発注され、2015年の撮影に間に合うよう2014年末までにすべてが製造されたそうですが、そのうちの3台は撮影中に（映画本編を見ても分かるように）単なる産業廃棄物になってしまい、生き残ったのはつまり7台。

今回出品される個体は英国にて登録され、合法に公道を構想できる、と紹介されています。

なお、ボウラーはオフロードレースのスペシャリストでもあり、よってそのカスタムの内容も「実用に即したもの」で、細かく見てゆくと、エンジン廻りだとターボチャージャーとインタークーラーの大型化、足回りだとビルシュタイン製のラリー仕様ショックアブソーバー、外装だとフルエクステリアロールケージ、NASリアステップ、LEDルーフライト、ボンネットロープ、WARN製電動ウインチ、37インチオフロードタイヤ＋16インチ5スポーク（ビードロック付き）アルミホイール、サイドプロテクションランナー、ブラックグリルとヘッドライトサラウンド、チェッカープレートメタルクラッディングなどなど。

どのシーンにてどういった使い方をされたのかはわかりませんが、走行はわずか466kmにとどまり、ボディの損傷はなく、僅かな傷を除くと程度良好。

なお、荷台の傷から見て「撮影機材を積む運搬用」として使用されていた可能性が高いといい、つまり劇中のようなハードなアクションには使用されていないのかもしれません。

007仕様のランドローバー・ディフェンダーのインテリアも程度良好

そして走行距離の短さに起因してこのディフェンダーの内装も程度良好。

フロントシートはハードな走行を想定してレカロ製（TRSハーネスつき）に交換されていますが・・・。

リアシートはノーマルのまま（ハーフレザー／ハーフクロス）。

レカロ製シートへの変更によってシートヒーターの利用はできなくなったそうですが、パワーウインドウ、エアコン、Bluetooth経由でのデジタル機器接続が可能なアルパイン製ヘッドユニットが装備され、（その気になれば）日常的な使用もできそうですね。

なお、この「007 スペクターに登場したランドローバー・ディフェンダー」の人気が高いことや、7台のみが現存するのは上述のとおりですが、これまで市場に出てきたのは1台しか記憶になく、そして今回の車両の走行距離「466km」が示す通り、どこかで制作会社や配給会社、もしくはそれらから買い取ったショップや個人が”隠し持って”いるのかも。

そう考えると今後も同様の例が出品される可能性は極めて低く、「最高で3000万円オーバー」というエスティメイトにも納得です（ただ、過去の1例は5800万円くらいで落札されている）。

ちなみにこの007 スペクター仕様のディフェンダーについては「レプリカ」も多く、しかしいかによくできていても「本物」の持つ魅力そしてオーラには敵うはずもなく、世界で最も有名な、そして人気の高いこの映画シリーズに登場したクルマを手に入れようと、虎視眈々と狙っている人も多いのかもしれませんね。

「007 スペクター」にこのランドローバー・ディフェンダーが登場した際の本編映像はこちら

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参照：Bonhams Auction