モントレー・カーウィーク開催中にルシード・モータースがその市販第一号車となる「Air」の最新プロトタイプを公開。
2016年11月にもプロトタイプが公開されているものの、今回の個体は「ツートン」。
ボディ下半分はダークグレーメタリック、上半分はシルバーとなっており、シックかつ高級感のあるルックスへと変貌を遂げていますね。
なお今回公開されたのはオフィシャルフォトのみでスペックなどの公開はなかった模様。
同じエレクトリックカーのスタートアップ企業であってもファラデー・フューチャーはすでに報じられる通り財政難でおそらく競争から脱落。
他にはやはり中華系の「NIO」も存在し、こちらは無人走行のラップタイムにおける記録を更新するなど(他にチャレンジャーがいないので記録更新は難しくない)存在感を見せつけているものの、やはり市販車となるとやや遅れがあるようですね。
しかしルシードにも解決すべき問題があり、それはやはり「資金」。
工場建設には850億円ほど必要と言われ、最低限の生産を確保するラインを建設するだけでも270億円が必要と言われます。
この資金を確保できないと予定している8000台〜10000台の年間生産を実現できず、となると計画は失敗に。
お金がないと計画を実現できませんが、工場があったからといって生産できる技術が揃うわけではなく、そして生産できても「売れる」とは限らず、売れないと投資したお金は無駄になる(もしくは借金していれば倒産する)ことに。
そう考えると新規ビジネスの難しさを実感せざるを得ませんが、多くのメーカーがEV業界に参入しようと考えている現実を見るに、やはりEVは「相当なポテンシャルを秘めている成長分野」なのでしょうね。
なおこちらが昨年発表されたルシードAirのプロトタイプ。
ルシード・モータースがついにその市販モデル「Air」の価格について言及。
正確な発表を通じてではありませんが、ブログを通じトップレンジは1200万円くらい、ベースモデルの価格は700万円くらい、としています。
究極の快適性を誇り、インターフェースもパフォーマンスも同価格帯のメルセデス・ベンツ、BMWよりも優れる、と自信をもっているようですね。
これによると、ルシードAirについて、ベースモデルでは航続可能距離は390キロ、出力は400馬力。
駆動輪は後輪のみとなりますが、「自動運転に必要な装備はすべて備えている」とのことで、上位モデルになると4WDが選択できたり、バッテリーの容量を増加させることができるようです。
航続可能距離については600キロまで、出力は1000馬力程度まで対応できるとしており、このあたりになるとテスラ・モデルS P100にも対抗できそうですね。
なお初回限定モデルとして225台が用意され、これは「1000馬力」バージョンとなる模様。
すでに保証金30万円にてAirの受付を開始するなど、実際に発売できる可能性が高くなってきたと思います。
同様にEVベンチャーである「ファラデー・フューチャー」についてはその普及モデルであるFF91についても発売が危ぶまれ、ここでルシード・モータース(こちらは中国資本ではなくテスラの元従業員が興した会社)が一歩リードすることになりそうですね。
ルシード・モータースはファラデー・フューチャーに負けじとプロモーションを展開していますが、実際の車体イメージを公開するなど、ファラデーには一歩先んじている模様。
今回も新型車「AIR」の様子を一部公開しています。
この動画によるとヘッドライトは非常に先進的で、10個の独立したユニットを持ち、これらが左右に個別に動いています(左右に動くだけではなく閉じることも可能なように見える)。
その様子は非常にインパクトがあり、言うなればヘッドライトの中に10個のリトラクタブル・ヘッドライトを持つようなもので、運転者がこれを運転中に(車の外なので)見ることができないのは非常に残念。
今までもプロジェクターユニットが可動するものは多く見られたものの、10個ものユニットが動く、というのは「初」だと思います。
これもLEDによって光源が小さく納まることによって可能になった技術であり、デザイン含めて「今までできなかったこと」ができるようになっている、ということですね。
やはり振興メーカーが既存メーカーに対抗するにはパフォーマンスなりデザインなり機能なり新規性もしくは排他性(もしくはイーロン・マスク氏のようなカリスマ性)が必要と思いますが、そのあたりルシード・モータースは準備万端なのかもしれません。
先日プロトタイプの画像を公開した新興EVメーカー、「LUCIDモータース」ですが、カモフラージュを取り去り、その全容を公開。
第一号となる「AIR」は大きなグラスエリアを持つルーフを持ち、全体的に未来っぽい外観を持っています。
各部はフラッシュサーフェスに近く、かなり独自性のあるデザインを持っていますね。
一方で連続性のあるヘッドライトとリアコンビランプはファラデー・フューチャーが部分的に公開した新型車に似ており、「もしかすると何らかの関係があるのでは」と思わせるほど。
なおこの新型車の価格は1900万円ほどになる見込みで、テスラ・モデルSの価格を大きく超えることになり、かなり思い切った値付けと言えるでしょう。
レイアウトは2モーターで前後アクスルに一つづつ搭載。
トータルでは1000馬力を発生し、航続可能距離は600キロ以上、と言われます。
しかもこのLUCID AIRは0-100キロ加速を2.5秒(ブガッティ・シロンと同じ)でこなすとされ、実際にこの性能を持つとなると業界に与えるインパクトはかなり大きそうです。
外装だと連続したラインを持つLEDヘッドライト、グラスルーフ(テスラ・モデルXのようにフロントウインドウが頭上まで覆っている)、なんとなくガバっと広く開きそうなリアデッキ装備が特徴。
室内だと大きなタッチパネル式のインターフェース、液晶メーターが見えますが、こちらもやはり未来を感じさせる装備とデザインですね。
すでに予約は開始されており、予約金は500万円で、最初の250台は価格は据え置きで「フル装備」になる、とのこと。
新興メーカーのひとつの問題は、消費者にとって「どこの馬の骨かわからない」ということで、それはファラデー・フューチャーもこのルシード・モータースも同じ(とくにルシード・モータースはバックボーンも不明)。
ですがテスラの場合は「イーロン・マスク」という経歴や人物像が明確なCEOがおり、これは消費者に安心感を与える部分だと思います。