| ただし実際に発売できるクルマは多くはないだろう |
技術的に設計することは難しくなくとも、各国の法規に合致させて製造することは難しい
さて、ここ最近になり聞いたことがないような自動車メーカーがどんどん出てきて、さらにはとんでもない馬力を掲げるスーパーカーやハイパーカーの計画が多数登場しています。
この理由としてはいくつかあると思いますが、ぼくとしてはまず「貧富の二極化が進み、”持てるもの”がさらにお金を持つようになって、人とは異なるものを求めるようになったり、既存のものに飽きたらなくなったこと」、そして最近の富裕層は新しいことにチャレンジして財を成した人が多く、よって「新しいものに興味を持っていること(これまでのように、そのメーカーの伝統にこだわらない)」があり、そして「エレクトリック時代になり、ガソリン車よりも高性能なクルマを作るハードルが下がったこと」「3Dプリンタの普及にて、少量生産車の試作や生産が用意になったこと」などが挙げられると考えています。
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実際に新興ハイパーカーは実現できる?
ただ、計画を打ち出すのはある程度の知識や経験があればできることで、しかし難しいのは実際に生産すること、そして生産を軌道に載せること。
そこで今回、ドーナツメディアが、新興ハイパーカーメーカー「レーザー(Rice Advanced Engineering Systems and Research =RAESR)によって販売が計画されている「タキオン・スピード・エレクトリック」の実現性について触れています。
このタキオン・スピード・エレクトリックは、その名からわかるとおり「ピュアエレクトリック」パワートレーンを搭載し、その名称は「超光速で動くとされている粒子」から。
この車は「Forza」に登場し、最高出力1,250ps (1,267 PS/932 kW)、最大トルク4,000 lb-ft (5,423 Nm) を発生するというスペックにて多くの人の関心を集めていますが、ジェット戦闘機をモチーフとしたデザインを持ち、「タンデム二座」という変わったレイアウトを持っています。
ただし最大の特徴はその特異なルックスではなく、「300ps(304PS/224kW)のモーターを6基搭載する」という他に類を見ないエレクトリックトレーンで、ピークパワーでは1250馬力を発生し、0-100キロ加速は3秒以下、ゼロヨンは10秒以下、最高速は時速386キロ以上というスペックを掲げていること。
ちなみに車体重量は1338kg、もちろん駆動方式は4WD、そして241km/h時点でのダウンフォースは450kgに達する、と案内されています。
ちょっと前だとこの数字は全くの絵空事であったが
なお、こういった「1250馬力」というのはほんの数年前までは「絵空事」にとどまり、新興自動車メーカーでは絶対に実現不可能と一笑に付されたものですが、上述の通り現代では「300馬力を出せるエレクトリックモーター」をサプライヤーから調達することは難しくなく、しかもレクトリックカーだとトランスミッションも必要がないために駆動系についてもシンプルに収まり、新興ハイパーカーメーカーにとって「掲げた数字」を実現することが容易になってきています。
もちろん、途方も無いパワーをコントロールすることやドライバビリティについては高いノウハウが要求されるものの、こういった新興ハイパーカーを購入する人々の多くは「運動性能を追求して」購入するのではなく、単にもの珍しさから購入に至ると思われるので、「サーキットでタイムを出せる」ような性能は必要がないのかもしれません。
そしてさらにリマック(ネヴェーラ)、ピニンファリーナ(バッティスタ)、テスラ(ロードスター2)などは2000馬力に届こうかという出力を発生させ、さらには伝統ある自動車メーカー、ロータスは「エヴァイヤ」にて2000馬力を超えるパワーを絞り出すといい、新興ハイパーカーメーカーが追ってくるのであれば、既存自動車メーカーは「それ以上」を目指すことになり、ガソリン車では(環境面から)難しくなった「パワーウォーズ」がここにまた再燃するのかもしれませんね。
レーザー「タキオン・スピード・エレクトリック」関連動画はこちら
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