「まいっただんだん話がわからなくなってきた」。全然別の会社から全然別の「デロリアン」が出てきたぞ！ただし初代デロリアン創業者の娘が興したもよう

2022/10/29 2022/10/28

｜まだまだ第三、第四のデロリアンが出てくるかもしれない｜

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40年近くもデロリアンが復活しなかったのに、ここ数年で何社も出てきたな

さて、ほんの数ヶ月前に「新型デロリアン発表」というニュースを聞いたものの、今度はまた別の会社から「新型デロリアン」が発表されて世間を混乱させることに。

この「別の」デロリアンはDNGモータース（デロリアン・ネクスト・ジェネレーション・モータース＝DeLorean Next Generation Motors）なる会社から発表されているのですが、この会社は最初の（DMC-12を発売した）デロリアンの創設者であるジョン・ザッカリー・デロリアンの娘、キャット・デロリアンによって設立されたもので、今回発表されたモデルに対してもジョン・ザッカリー・デロリアンに敬意を表し「モデルJZD」という名を与えています。

加えて年内に正式に発表を行うこと、2023年1月からミシガン州デトロイトにて組み立てを行うともアナウンスしており、もしこれが実現すれば複数のデロリアンが登場する、ということになりますね。

ちょっと前に発表されたデロリアンとは一体何だったのか？

そしてここで「デロリアン」について説明しておくと、これは映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したことにより、その存在を広く知られることになった「タイムマシンのベース車」となったクルマを指すのが一般的かと思います。

ただし正確に言えば、デロリアンとは会社名であり車名ではなく、タイムマシンのベースとなったクルマの名称は「デロリアンDMC-12」。

つまりDMC-12が車名ということになるのですが、デロリアンはこの1車種のみを発売して倒産してしまったので、DMC-12＝デロリアンという認識となっているわけですね。

そしてこのクルマを作ったデロリアン・モーター・カンパニーは、1975年にゼネラルモータースを退社したジョン・ザッカリー・デロリアンによって設立されていますが、デロリアンDMC-12はジョン・ザッカリー・デロリアンにとっての夢のクルマであり、そのために高い理想をもって開発にかかりますが、予算オーバーや経験不足といった難問をクリアつつ、なんとか発売にこぎつけることに。

設計はロータス、デザインはジウジアーロ、そしてリアエンジンにステンレスの無塗装ボディという例を見ないクルマでもあり、しかし開発費がかさんだために高額な価格設定を行なわざるを得なくなった結果として「ほとんど売れず」、倒産に追い込まれています。

ただ、販売不振の理由については、デロリアンDMC-12の発売直後にジョン・ザッカリー・デロリアンが麻薬密輸に関与した疑いをかけられたという事実も関係しており、結果的に無罪放免となったものの、デロリアンの名はこのときすでに（再生不可能なまでに）地に堕ちていたようですね。

そこで登場するのが、先般「新型デロリアン」アルファ5を発売したデロリアン・モーター・カンパニー（DMC）で、これは倒産した（最初の）デロリアン・モーター・カンパニーを買い取ってテキサスに設立された別法人。※当初はデロリアン・モーター・カーズという法人名だった

ただしこの際には、最初のデロリアンが抱えていたパーツなどの在庫もまとめて買い取っており、そのパーツを使用して販売済みのデロリアンの修理を行ったり、パーツを組み立てて「新車」のデロリアンを販売したりしていたわけですが、最近になって「新型デロリアン」、アルファ5を発表することとなったわけですね。

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どっちが本当のデロリアンかという判断は難しい

そして今回の新しいDNGモータースは、初代のデロリアン・モーター・カンパニーと（工場設備など）物理的な関連性はないものの、なによりジョン・ザッカリー・デロリアンの娘によって設立されており、DNGモータースいわく「業界トップの自動車業界の頭脳と、40年以上前に最初のデロリアンの制作に貢献したオリジナルチームの一部が参加している」とのことで、さらには「人を中心に考え、社会に還元する、今までにない新しいタイプのモビリティ企業になる」とも。