2017年に発表され、今まで発売が延び延びになっていたファラデー・フューチャーFF91。今回ようやく生産第一号が顧客に引き渡されることに【動画】

｜　今やファラデー・フューチャーFF91の属するセグメントはメインストリームではなくなってしまったが　｜

やはり経営者には「時代の先を読む能力」が必要である

さて、長年にわたる挫折、期待、論争を経て、ファラデー・フューチャーがついに最初の顧客車両一号車となるFF 91を納車。

なお、この「納車第一号」のオーナーは明かされていないものの、報道によれば「カリフォルニア州コスタメサを拠点とする高級車ディーラー、プライベート・コレクション・モーターズ（PCM）の「トップユーザー」。

このほか、このファラデー・フューチャーFF91の納車を待っている人たちの中には著名デザイナーであるレム・D・コールハース、LAの高級物件を専門とする高名な不動産業者、ジェイソン・オッペンハイムもいるといい、第一線で活躍する人々にとっては、このFF91は相当に注目度が高いと言って良さそうです。

ファラデー・フューチャー FF91はこんなクルマ

今回顧客に納車されたグレードは「FF91 2.0 フューチャリスト・アライアンス」だといい、その価格はテスラ・モデルSプレッドの2倍以上の設定を持っており、最高出力は1,050馬力、3モーター・セットアップを持っており、一回の満充電あたり充電可能距離は381キロ（モデルXよりも長い距離を走れる）。

2017年のCESにて発表され、その後「加速がフェラーリよりも速い」として話題となっていますが、その後は開発があまり進まず、資金難、CEOの個人資産差し押さえ、虚偽のオーダー表示などが明るみに出て窮地に立たされることに。

今回の納車風景が撮影されたのは上述のプライベート・コレクション・モーターズ（PCM）だとされ、PCMのクライアントを含む彼ら全員が、ファラデー・フューチャーが新たに立ち上げたデベロッパー共同創造プログラムの一員となり、今後の改良に参画できるそうですが、そう考えると、このファラデー・フューチャーFF91一号車は「レンタカー」的な使い方をされるのかもしれません。

そしてこの納車に際し、ファラデー・フューチャーのグローバル最高経営責任者（CEO）であるシューフェン・チェン氏が語ったのは以下の通り。

ファラデー・フューチャーはテスラの成功を見て「二匹目のドジョウ」を狙った新興EVメーカーではありますが、現時点での強みは「パフォーマンス」「ラグジュアリー」かと思います。

よって車両価格の殆どは「パフォーマンスとラグジュアリー（にかけたコスト）」が占めると言われ、そしてファラデー・フューチャーはテスラをして「ラグジュアリーではない」と断じたことも。

一方の「パフォーマンス」については、ル・マン24時間レースで5度の優勝経験を持つデレク・ベルの息子、ジャスティン・ベルとの販売契約および開発者共同創造契約を結んだことも発表しており、「"製品開発、品質向上、ブランドマーケティング、セレブリティやインフルエンサーを含むエリート集団の形成、技術開発と進歩、アフターサービスなど、様々な側面で大きな価値を得ることができる "」とも。

よって今後も「ラグジュアリー」「パフォーマンス」というこの2つの路線を武器にリビアンやルシードと戦うことになりますが、EVのメインマーケットは（ファラデー・フューチャーが発売に苦戦し、延期に次ぐ延期を行ったことで）ラグジュアリーサルーンから小型SUVへと推移しています。

つまりは「当寺はメインストリームだったが、投入した頃にはオワコンになってしまった」セグメントがファラデー・フューチャーの主流となってしまうのは非常に皮肉なことかもしれません。

ファラデー・フューチャーの納車イベントの様子はこちら

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参照：Faraday Future