こういった発想はアメリカ人ならでは
アメリカのチューナー、マンチコア・プロジェクト(Manticore Project)が1969年製フォード・マスタングのカスタムを披露。
いわゆるレストモッド(レストア+カスタム)の部類に属しますが、初見の印象では「(カラーリングのせいか)初代バットモービル」。
なおオーナーはソフトウェア開発会社、サイプレス・セミコンダクターのCEO、ハセイン・エル・コウリー氏。
そして今回のマスタングは、かねてより同氏が夢見ていたクルマを現実にしたものだそう。
エンジン、足回りは現代風にアップデート
このマスタングは一旦全部分解した状態からレストアを行っており、その段階では各パーツを最新のものへとアップデート。
例えばエンジンは現代の5リッターV8(スーパーチャージャー付き)が積まれているそうですが、サスペンションやトランスミッションも同時に最新のコンポーネントへとアップグレード済み。
なおエンジンは驚愕の785PSを発生。
この出力に昔の車体が耐えられるのか?と心配になるものの、もちろんレストアはこのエンジン搭載を前提に進められていると思われ、そのための補強もなされているのでしょうね。
そして車体裏面にまでこだわるのはアメリカのチューナーならでは。
ボディ外板同様に「ブラックとレッド」でまとめられています。
このマスタングの最大の特徴は「インテリア」にある
なお、今回カスタムされたマスタングの白眉は内装にあり、これはパワーユニットや足回り以上に「最先端」。
内装パネルの多くは3Dプリンターによって製作され、メーターはタッチ式の大型液晶パネルへと置き換えられることに。
パワーウインドウ含む車両の操作系はすべてこのメーターパネルにてコントロールできるようですが、たしかに物理スイッチは非常に少ないようですね。
ステアリングホイールはスパルコ製となり、レッドのセンターマークが入るなど、こちらも外装に合わせてカスタム済み。
センターコンソールはカーボン製。
シフトノブは「ボール状」を採用し、これはアメリカのチューナーが好んで用いる形状でもあります。
ちなみにドアのロックやアンロック、エンジンのスタートには「指紋認証」を導入していて、キーのたぐいは一切ナシ。
そしてオーディオもカスタムメイドとなり、オーディオシステムそのものはスマートフォンとの連携が前提に設計されているそう。
そして内装にはシート同様にレッドのダイヤモンドステッチが入れられ、強大なパワーを受け止めるべくロールケージで補強済み。
アメリカではマスタングやカマロといったアメリカンマッスルのレストモッドがけっこう多く見られ、オリジナルに戻すよりも「自分の好きな仕様に」カスタムする傾向が強いように思います。
このあたりは「クルマを思いっきり楽しむ」というアメリカ人の気質に起因しているのでしょうね。
そしてアメリカンマッスルのレストモッドというと「スピードコア」が有名。
そしてなんと言ってもマスタングの究極カスタム「ヴィシャス」が】記憶に残ります。