| しかしその外観は全く謎。発表は2020年秋 |

フォードが新型EVのプロモーション動画を2編公開。
このEVは「マスタングにインスパイアされた」と言われ、ネーミングは「(マスタング・マッハ1にかけて)マッハE」となるのでは、とも言われます。
ただ残念なことに動画に登場する車両は分厚い偽装パネルで覆われ、その真の姿を知ることはできず。
まだまだEVは誤解が多い
ただし今回フォードはいくつかの情報を公開していて、この新型EVの充電一回あたりの走行可能距離は483km程度になるであろうこと、2020年秋に発表する、ということについて言及しています(プロトタイプはロサンゼルス・モーターショーで公開されるかもしれない)。
そのほか、メンテナンスコストはフォード・エスケープに比較して38%安くなる、ということも示唆。
実際のところEVはガソリン車に比較すると部品点数が20-40%少なく、エンジンやトランスミッションなどのオイル交換費用も「ゼロ」。加えて回生ブレーキを多用するため、通常のブレーキも「摩耗しにくい」といったメリットがあります。
ぼくはBMW i3に数年乗りましたが、法定12ヶ月点検の費用はガソリン車の半分近い、という印象です。
フォードのEVは雪上でも強い
そして今回公開された二編の動画ですが、まずは極寒状況における寒冷テスト。
「だれがEVは雪上を走れないと言った?」という文字からスタートするもので、現在の「街なかでの移動手段」といった目的のEVが多い状況、そしてそれらの悪路走破性が低い(というか考えられていない)ことに対するカウンター。

加えてEVに積まれるバッテリーは、気温が低いと性能が下がり、一般に寒冷地での使用に適さない、という常識への対抗もありそうです(よって、気温が一定以下になると、バッテリーを暖める機能が標準/オプションで用意されていることが多い。もちろん電力を食うが、温めないよりはマシ)。

フォードのEVはサーキットでも強い
そしてもうひとつの動画は「EVの走りが面白くないなんて誰が言った?」という内容。
フォードの調査によれば、欧米の90%の人々は「EVは遅い」と認識しており、そのためにフォードはスポーツカー並みの走行性能を目指しています(そういった認識のためか、BMW i3に乗っている頃は本当によくあおられた)。
さらに「マスタングをイメージするからには、速くないとな」という発言も行っており、シミュレーターや実走にて「楽しさ」を追求したようですね。
参考までに、42%の人々が「EVにもガソリンが必要(PHEVと混同)」と認識しており、EVオーナーの80%が公共充電を利用したことがない、と回答しているようですね。

今回フォードは運転する楽しさを感じさせるために「加速」を重視したといい、ガソリン車には到底真似できない、EVならではのトルクの立ち上がりを活かしたキャラクターをこのEVに与え、サーキットにおけるテストの様子も披露しています。

いったいこの「マスタングにインスパイアされた」EVがどのようなルックスになるのか想像もつきませんが、動画を見ていると開発メンバーも楽しみながらこのクルマを作っているように見え、「面白いクルマになりそうだ」ということが伝わってきます。
