アメリカの「オフィシャルカー」をピックアップトラックに。シェルが働きかけ
石油会社、シェルが「アメリカのオフィシャルカーをトラックにしよう」と働きかけを開始。
これは「この100年、働き続け、汗をかき、アメリカを作り上げた」車としてトラックを讃えようということですが、このキャンペーンの裏にはある「批判」が隠されているのではないか、とぼくは考えています。
まさかハイブリッドや電気自動車に乗ることで非難されるとは
その「批判」とは、少し前にシェルの重役がハイブリッドカーや電気自動車に乗り換えているというニュースに対し、シェルの株主が猛反発したもので、要は「石油会社の役員が石油を要しない車に乗り換えるということは、石油の将来を否定する=会社の業績をないがしろにするのと同じ」というもの。
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役員としては「少しでも環境に良いように」「石油で儲けているという印象を与えないように」世間に配慮したつもりだったのだと思われますが、結果的には「利益の増減がダイレクトに自分の資産に影響する」株主の機嫌を損ねる結果を招いた模様。
少し前にフォードが「株主向け」の再生プランを公開しましたが、その内容も「利益」にフォーカスしたもので、計画や将来というよりもまさに「今いくらお金が残るのか」というものとなっており、それだけアメリカ企業の株主に対する責任は大きなものであるということも実感させられることに(同時にアメリカの株主における利益重視姿勢も)。
ちなみにこの「トラックをアメリカのオフィシャルカーに」キャンペーンも炎上したようで、キャンペーンのために製作した動画も光の速さで削除されており、シェルとしては失地挽回どころか「失態を重ねるだけ」に終わったようです。
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じゃあ他の国はどうだろう
なお「アメリカを象徴する車」がトラックであることに異論はなく、ここで考えるのは「ほかの国はどうなのか」。
日本はコンパクトカーか軽自動車、いやミニバンかもしれません。
イタリアはもちろんスーパーカーでしょうし(もしくは保護法までできたフィアット500かも)、フランスはコンパクトハッチ、ドイツは大柄なセダン、というのがぼくのイメージです。
「中国」はというと「コピー車」のイメージがあり、フロントグリルはBMW」、ヘッドライトはBMW、シルエットはアウディ、テールランプはVWといったキメラのような車を連想してしまうのが恐ろしいところ。