| プライバシーに関わる情報を容易に売買 |
メルセデス・ベンツの幹部が「中国は自動車を通じて個人データを集めており、これを売ろうとしている」と発言。
近年の車は「コネクティビティ」が進化しており、そのオーナーの情報や行動に関してのログが収集されていると考えて差し支えありませんが、これらのデータと個人データとを組み合わせて商業的に活用しようという動きがあるようで、例えばその個人が「どれくらいの価格で、どのブランドの車を持っていて、どれくらいのペースで買い替えて、どれくらいの頻度で車に乗ってどこへ行き、どういった運転やライフスタイルを好むのか」という情報を集めて企業に販売し、ライバル製品の消費者を取り込むのに役立てる、ということのようです。
メルセデス・ベンツは中国の姿勢に反発
そしてメルセデス・ベンツにそういった活動に参加しないかというオファーがあったものの、メルセデス・ベンツはこれを「断った」とも述べています。
なお、こういった情報はプライバシー情報を含むもので勝手に売買されて良い性格のものではなく、これを行おうとするのは「さすが中国」といったところ。
IBMのパソコン事業は中国のレノボに売却されているものの、レノボのPCは「個人情報を収集するソフトが内蔵されている」とのことでレノボ製PCの使用を禁じる機関や企業もあり、そういった実情を鑑みるに今回の話は「事実」だと判断できるかもしれず、中国は個人のインターネット閲覧履歴から「国の意図にそぐわない」行動をする人を特定している、とも言われるほど。
ちなみにアンドロイド・オートについても同様の噂があって、これ(プライバシー)を理由にポルシェが「アンドロイド・オート(Android Auto)を採用せず、アップル・カープレイ(Apple CarPlay)のみを搭載する」と2015年に発表していますね。※個人情報収集については米誌Motor Trendがこれを報じ、Googleは内容を否定
中国の場合、プライバシー情報の取得と蓄積は「情報の売買」のほか「人民の管理統制」といった意味もあると思われ、未だ統制されているインターネットや検閲実施、海外の多くのサイト(Googleは中国で使えない。当ブログも中国では閲覧不可)やSNS(Facebookなどは中国ではアクセスできない)が中国ではアクセス出来ないという現状を鑑みるに、もしかすると「シビルコントロール」の可能性のほうが高いのかもしれません。
参考までにiphoneに中華アプリをインストールするとiphoneにおいて一定の機能が制限されたり、利用不可になり(実体験として)、アプリをアンインストールしたとしてもどこかで作動しているようで状況は改善されず、いわば「iphoneを乗っ取られたような印象」もあって、「全てのデータを抜かれてどこかに送信されているのだろう」と思うことも。
現在様々な分野で「チャイナ・リスク」が報じられますが、こういったところにも「目に見えないリスク」が潜んでいると言えそうです。