製造には45時間、そのコストはいかほど?

先日、フォルクスワーゲンが3Dプリンタによるパーツや車体の製造を研究すべく新しい施設をオープンさせたと報じられましたが、今回はフォルクスワーゲングループに属するブガッティより、「3Dプリンタで製造された」ブレーキキャリパーが公開されています。
ブガッティ・シロンはすでに3Dプリンタによるパーツを多数採用
今回の動画は(ブガッティのパーツといえども)フォルクスワーゲン名義で公開されていることを考えると、これは上述の「フォルクスワーゲンの3Dプリンタ研究所」で製造されたものだと考えられ、フォルクスワーゲングループでは今後こういったパーツが増えてくるのだと思われます。
なお、ブガッティはすでに3Dプリンターによるパーツを多く採用しているといい、3Dプリンターはブガッティのような少量生産メーカー(シロンの生産台数は500台)にとっては「非常に効率的な」解決策なのかもしれません。
たとえば今までの方法だと、数百個のパーツを作るにも「金型」を一からおこすことになり、これが数十万円〜数百万円するとなると、パーツ1個あたりの原価にして(金型代金だけで)数千円〜数万円が必要となるものの、3Dプリンタだとこの費用が「ゼロ」。
ただし3Dプリンター本体の投資は必要ではあるものの、そこはプリンターメーカーとパートナーシップ契約を結べば格安に収まる可能性があり(ブガッティの場合はHPがビジネスパートナー)、金型を作る場合に比較すれば大幅にコストが削減できることに。
加えて、パーツの在庫がなくなったときも、金型を使用する場合に比べると手軽にパーツの再生産を行うことができ、とにかく自動車業界において「革命」とも言えるのが3Dプリンター。
3Dプリンタにて製造されたブレーキキャリパーは時速400キロまで対応可能
なお、今回公開された「3Dプリント」ブレーキキャリパーは1個あたりの生産に45時間が必要、とのこと。
そして時速400キロまで対応ができ、1000度までの高温に耐えうるとされ、つまりは「現代最高レベル」の性能を誇ります。
素材にはチタンを使用し、2,313ものレイヤーにて積層され、その重量は現在シロンに用いられるキャリパーの「半分」。
とにかくいいところしか感じられないのが「3Dプリント・ブレーキキャリパー」ですが、早晩ブガッティはじめ、フォルクスワーゲングループのハイパフォーマンスカーに採用されることになりそうですね。
VIA:Volkswagen Group-Youtube