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ランクル、レクサスNXだけじゃない!フェラーリ・ローマ、ランボルギーニ・ウラカンの受注も終了、一体自動車業界で何が起きているのか・・・

2022/07/10

フェラーリ488チャレンジ

| スーパーカーメーカーは受給を引き締めることでその排他性と希少性を維持 |

一方で量産車メーカーはサプライチェーン問題に苦しめられる?

さて、先日はトヨタ・ランドクルーザーが「前期モデルの予定生産台数を受注した」ために受注を停止し、レクサスLX、レクサスNXもそれに続くという報道がなされましたが、ここ最近になって耳にするのが「スーパーカーの受注停止も相次いでいる」という話。

直近だとフェラーリ・ローマの受注がすでに停止され、SF90ストラダーレ / SF90スパイダーもほぼ停止だとされ、なんと発表から1年した経っていない296GTBについても年内に受注が終了するのでは、というウワサまで出ています。

とくに296GTBについては、まだミニカーすら各社から発売されていないという状態であり、この状況での受注終了は「えっ・・・」という感じですね。

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ランボルギーニ・ウラカン・テクニカも受注が終了?

そしてさらにランボルギーニ・ウラカン・テクニカについても受注が終了という話が聞かれていて、ウラカン・テクニカというと4月に発表されたばかりの最新モデルであるだけにこれはびっくり。

受注終了、そしてその理由について公式に明かされているわけではありませんが、おそらくは「予定していた生産台数ぶんの受注が集まった」ためだと思われます。

なお、ランボルギーニはかねてよりスーパーカーラインアップの販売台数を制限して希少性を保ちたいという旨のコメントを発しており、しかし販売台数を制限すると売上も利益も下がってしまい、そこで大きな役割を果たすのがウルス。

ウルスは現在ランボルギーニの販売台数の半数を占めるまでに成長したSUVですが、ウルスの販売台数については制限を行わずにどんどん生産し、そのかわりにスーパースポーツの販売台数を絞って(スーパースポーツの)希少性を高めるというわけですね。

そしてスーパースポーツ(ウラカンやアヴェンタドール)については一部の明確に限定台数を示したスペシャルモデルでなくとも「ラインアップあたりの生産台数」を決めているのだと思われ、それ以上の台数は生産しないのだと思われます。

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つまり注文を受けた分だけ作るわけではないということで、これも広義では「(限定台数は公開されていないものの)限定モデル」だと言えるかもしれません。

実際のところ、アヴェンタドール、ウラカンについては(スペシャルモデルでなくとも)その相場が上昇しているように見え、販売台数を制限する効果が実際に上がっているとも考えてよく、そのため今後もこの方針が採用され続けることになりそうです。

ちなみにこれまでランボルギーニは(スーパースポーツにおいても)通常モデルを前期型5年、後期型5年というサイクルにて販売しつつ、その中に限定モデルを差し込むというスタイルを取っていましたが、今後は5年+5年=10年というサイクルが無くなり、チョコチョコと仕様を変えながら「2年+2年+2年+2年+2年=10年」といった販売方法へと移行するのかもしれません(正確に言うと、期間ではなく販売台数にて制限を行うことになるが、2年分の販売台数を前提に計画を進めるのかも)。

ウラカンについてはこれからスーパーオフローダー版「ステラート」の発売が控えており、こちらについてもウラカン・テクニカ同様、早々に「生産予定台数上限に達することで」受注が終了する可能性があり、購入を考えているのであれば急ぐに越したことはなさそうですね。

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フェラーリはモデルライフを短縮することを公言

なお、フェラーリは2019年に「モデルライフを短縮し、代わりにモデルラインアップを拡大することで総販売台数を増やす」ともコメントしていて、そのときは「まさか」と思ったものの、実際にF8トリブート以降は非常に短い期間で「受注が終了」されており、F8スパイダー、ローマ、ポルトフィーノM、SF90ストラダーレ、SF90スパイダー、296GTBも同様(またはそうなりそう)です。

フェラーリ
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そしてこちらも「期間」ではなく「台数」にてモデルあたりの受注台数を決定しているものと思われ、ローマだと発表から2年半で予定生産台数の受注上限に達し、296GTBだと1年半〜2年で上限に達するということなのかもしれません。

もちろんモデルごとの「予定生産台数」はそれぞれ異なるかと思われ、この台数が明かされることはなさそうですが、スーパーカーにおいては大きな流れの変化が生じていると考えてよさそうです。

フェラーリ296GTB

もちろんサプライチェーン問題も無関係ではないが

こういった状況については、近年叫ばれる半導体(マイクロチップ)不足含むサプライチェーン問題も関係していそうですが、フェラーリやランボルギーニは大量生産メーカーではなく、車種が少ない上に全体の生産台数が少なく、つまり予定した台数を生産できないと大きく計画が狂うことになり、そのためサプライチェーン問題によって「生産が遅れる」ことはあっても「予定生産台数を引き下げる」ことはないだろうと考えています。

一方、トヨタなど量産メーカーの場合は実質的な生産キャパシティを考慮して生産台数を引き下げる、もしくは(いくらでも作る予定だったものを)一定のところでストップさせる可能性もあり、ここはスーパーカーメーカーとはちょっと事情が異なるのかも。

加えてトヨタは「かんばん方式」を採用していますが、スーパーカーメーカー含む欧州の自動車メーカーは年度ごとに生産量を(事業計画とともに)決め、それに従って購買部門がサプライヤーと交渉を行って仕入れるという相違もあり、その意味でもトヨタとは様相が異なるものと思われます(生産台数を削るのであれば、全サプライヤーに対して納入数を減らす要請を行わねばパーツごとの辻褄があわなくなり、かつ契約義務違反も生じる)。

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