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FIAがアンドレッティ・レーシングのF1新規参入を承認。今後F1運営元との交渉を控えるも合意がなされれば「オールアメリカンチーム」がグリッドに並ぶことに

FIAがアンドレッティ・レーシングのF1新規参入を承認。今後F1運営元との交渉を控えるも合意がなされれば「オールアメリカンチーム」がグリッドに並ぶことに

| 現在のF1は新規チームの参入障壁が非常に高いが、アンドレッティは参加意思を示した4チームの中で唯一ハードルをクリア |

残るハードルは「既存チームとの交渉」ではあるが、これは問題なく行為に至るものと推測

さて、国際自動車連盟(FIA)が「アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCが、2023年1月の "Expressions of Interest(関心表明)"プロセスから始まった過酷なプロセスを経て、F1グリッドへの参加を承認されることになった」と正式にコメント。

なお、今回承認を受けたチームはキャデラックとのパートナシップによって運営されるものですが、この体制の発足(2023年1月)以前となる2022年にもマリオ・アンドレッティはF1への参加について関心表明を行っており(そしてうまくゆかなかった)、今回はその「悲願達成」ということになりそうです。

ただ、今回はあくまでもFIAからの承認がおりたのみにとどまっていて、これをもって即「F1に参入できるものではない」のには要注意。

これからアンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCはF1を運営するリバティ・メディア、そして既存F1チーム代表との交渉を行う必要があり、この交渉がまとまったのち、ようやく「晴れて」F1のグリッドにマシンを並べることができるようになるわけですね。※F1に参入するには3つの難関をクリアする必要があり、ひとつは関心表明、2つ目は今回のFIA承認、そして3つ目はリバティ・メディアとの合意

F1既存チームは「新規参入組」を歓迎しない傾向にある

参考までに、2022年の(アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCによる)意思表明の際には既存チームからの大きな反発を受けており、2023年1月に表明を行った際にもやはり反発を受けています。

ではなぜ既存チームが新規チームの加入に反対するのかというと、それは「取り分が減るから」。

既存チームはF1運営団体(リバティ・メディア)から分配金を受け取っており、新規参入チームが出てくればそのぶん分配金が減る可能性が出てくるわけですね(原資が同じままチーム数が増えると、1チームあたりの取る分が減る)。

かつ、アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCのような「上位を狙えそうな」チームが入ってくると、現在下位に沈んでいるチームが上を狙うこと、そしてより多くの分配金を狙うことが非常に難しくなり、全てのチームにとってこれは「歓迎されざること」だとも考えられます。※2016年のハース以降、F1には新規チームが参入しておらず、それだけ新規参入が難しい。よってF1に参入するには既存チームの買収がもっとも手っ取り早い

ちなみにですが、少し前の報道だと、アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCの参戦に肯定的なのはアルピーヌとマクラーレンのみだといい、つまりアンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCは四面楚歌の中で交渉を行う必要があるわけですが、交渉に際しては「希薄化する分配金」を埋めるための資金の持ち込みが必要であり、この額は既存チームとの交渉によって決められると報じられていますね(300億円くらいという説もある)。

ただしリバティ・メディアはこの機会を逃す手はない

ただ、F1運営元のリバティ・メディアからすると、「モータースポーツの英雄であるマリオ・アンドレッティのネームバリュー、キャデラックというビッグネームの参入、そしてドライバー含めてのオールアメリカンチーム」というアンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCは非常に魅力的であり、というのもリバティ・メディアはアメリカにおけるF1のプレゼンスを高めて収入を拡大したいから。

11月には第一回目のラスベガス・グランプリが開催されますが、現在アメリカではF1の人気が拡大しており、すでに人気を獲得して久しい欧州や日本、東南アジアに比較するとアメリカには「伸びしろ」があるわけですね。

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そしてアメリカでのF1人気の高まりを背景に、多額の資金を提供しようというアメリカ資本の大企業が「スポンサー希望」として長い列を作っているという報道も見られ、(商売上手の)リバティ・メディアがこういった状況をみすみす見逃すとは考えられず、「マリオ・アンドレッティとキャデラック」というビッグネームを駆使してさらにお金を集めようと考えているのは間違いのないところだと考えています。

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よって、現在アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCの参入に難色を示している既存チームも「長い目で見れば」F1全体の利益のためにこの新規参入を認めざるを得ない、つまりは「アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングLLCのF1新規参入はほぼ間違いない」のかもしれません。

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参照:FIA

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JUN(intensive911)

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