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【動画】BMW M3とM5とが加速対決。M3は100馬力アップのチューンドカーなのにM5に歯が立たない理由はコレだ

2019/04/20

クルマは設計段階で想定された性能の範囲を抜け出すことが難しい

Carwowが「BMW M3コンペティションとM5コンペティションとを直線加速にて競争させた動画」を公開。

ただし「ノーマル同士」だと結果は目に見えており、よってM3コンペティションの方は”チューン済み”となっています。

その出力はノーマルの454馬力から540馬力へと高められていて、一気に100馬力のパワーアップということになりますね。

価格の高いクルマにはそれなりの理由がある

そして対するM5コンペティションは4.4リッターV8ツインターボから617馬力を絞り出し、駆動方式は4WD。※M3コンペティションは直6ツインターボ、トランスミッションは7速DCT、駆動輪は後輪のみ

そしてゼロヨンでの対決だと、M5コンペティションが(より重いとはいえ)4WDのトラクションを活かして素晴らしいダッシュを決め、そのままM3コンペティションを引き離してゴール。

そしてM3コンペティションは遅れること2秒でゴール。

なお、M3コンペティションそしてチューナーの名誉のために「ローリングスタート(一定速度で走行中からの加速)」について触れておくと、この場合はM3コンペティションのほうが軽量性にモノを言わせてM5コンペティションをリードしています。

やはり高いクルマには高いなりの理由がある

そしてぼくがこの動画を見て思ったのは、「いかにチューンしたとしても、高価なハイパフォーマンスカーには勝てない」。

これはぼくがその昔「チューニングオタク」だった頃に身をもって知った事実で、当時フェアレディZ(Z32)に全財産を突っ込んでチューンして悦に入っていたものの、あっさりとポルシェ911(当時は993)にぶち抜かれたことがあり、それがきっかけでぼくはポルシェを購入することになったわけですね。

そして最初のポルシェであるボクスターS(986)が納車されたとき、「こんなん反則やん・・・」というほどその基本性能の高さに驚かされた経験がありますが、このとき思ったのが上述のとおり「いくらチューンしても、もともと素性のいいクルマには絶対に勝てない」ということ。

なお、トヨタのスポーツカー開発を担当する多田哲哉氏は「86にターボを装着しない理由」として、86の車体はターボに耐えられないと語っています。
つまりこれは、スポーツカーと言えど「単にパワーアップすればいい」というものではなくバランスが重要だということを意味していて、たとえばパワーアップすればそれに耐えるクーリングが必要で、パワーがアップすれば車体が耐えられなくなり、そこで補強すれば今度は補強していないところに負担がかかり、さらにパワーを受け止めるサスペンションやブレーキも必要になって、しかしサスペンションを強化すると今度はストラットが耐えられないということになり、そうやってパワーがクルマを蝕んでゆくことに。

しかし最初からすべてのバランスが整っていて、かつその総合点が高いのがポルシェであり、これはチューニングカーでは到達できないレベル。

かつ、チューニングカーは売却するときに非常に安くなりますが、もとから高いクルマ、特にポルシェは(買うときも高いけど)売るときも高く、ぼくがそのときに学び、今も実践しているのが「速く走りたければ、高くてもそれだけの素質を持つクルマを買え」ということ。

お金が足りないからといって、本来欲しいクルマではなく「いま手に入るクルマ」を手に入れ、お金ができる都度そのクルマをチューンするのは「何も得るものがない行為である」とぼくは考えています。※少なくともノウハウと教訓は得られる。その頃の散財があったから今の自分があるともいえる

これはクルマ以外のモノにも共通しますが、「いいモノは高いが、それなりの理由がある」ということ、「高くてもいいモノを買え」ということですね。

それでは動画を見てみよう

こちらが「やはり素質の差」が出てしまう動画、「BMW M5 Comp v BMW M3 Comp - RWD-mode DRAG RACE, ROLLING RACE & BRAKE TEST」。

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