まだまだベントレーの春は遠そうだ

方向性に迷っているベントレーですが、今回「現在、スポーツカー発売の予定はない」とコメント。
ちなみにベントレーは以前にも「今後スポーツカーを発売しない」ともコメントしていて、これからは本気でエレクトリック、そして高級路線に特化するのかもしれません。
ベントレーは北米そして中国の購買力に注目
今回このコメントを発したのはベントレーの役員であるワーナー・ティーツ氏で、ベントレーは今後GTとSUVに集中し、以前に発表したEXP10スピード6や、EXP12スピード6eロードスターを生産に移すことはないだろう、とのこと。
そして同時に語られたのが「ベンテイガの上に位置するモデル」の発売可能性で、これは主に中国やアメリカ市場を意識したクルマとなりそうです。
なおベンテイガそのものは「はじめて時速300キロを突破したSUV」としてデビューし、さらに「2000万円オーバーのSUV市場の可能性」を切り開いています。

それまでメルセデスAMG G63を除くと2000万円台のSUVは存在せず、しかしベントレーはその価格帯にチャレンジしたことで「実はその価格帯はけっこう需要があった」ということが明らかになったのは記憶にあたらしいところですね。
さらにその後ランボルギーニ「ウルス」、ロールスロイス初のSUV「カリナン」が登場していますが、とくにカリナンが大きなヒットを飛ばしたことを受けて今回「ベンテイガの上」という話が出てきたのかもしれません。
なお、ベントレーは今のところあまり販売が伸びておらず、得意の高級車はロールスロイスに市場を奪われ、SUVにおいても後発のランボルギーニやロールスロイスに販売を持っていかれている状態です。

そこで巻き返しを図ろうと「ヴィーガン対応インテリア」を導入し知的レベルの高い人々にアピールしようとするも、今や高級車や高級SUVを購入するのは年齢の高いインテリ層ではなく、若くしてお金を持つことになった起業家たちであり、いまひとつ向かおうとする方向と現実とが噛み合っていない模様。
そして現在、なんとかそこをアジャストしようと努力しているのがベントレーの現状ということになりそうですが、そこで出てきた方針が「GTとSUV」ということになり、SUVにおいては「さらに高級を目指す」というものだということになりますね。
なおベントレーは以前に「ベンテイガの小型版」や「ベントレーのクーペ版」を発売という噂が出ていますが、今回はそれらについては触れられず、まずはカリナンの対抗モデルを発売することに集中すると考えられます。