
| ベントレーは以前から環境に対して非常に意識の高い自動車メーカーだった |
ただしそれが「顧客の求めるもの」とマッチしているのかどうかはわからない
さて、ベントレーが環境団体「サウスポール」の審査を受け、企業としてはじめて「ネットゼロ・プラスチック・トゥ・ネイチャー」の認定を受けたと発表。
ベントレーはおそらく自動車業界で最も早く(2030年に)カーボンフリーを達成しようという目標を掲げていますが、そのための活動の一環ということになりそうですね。
なお、このサウスポールはスイスに本拠地を置く組織であり、ベントレーが使用するプラスチックの使用量、そしてプラスチックのリサイクル量とをあわせて考慮して「ネットゼロ(差し引きゼロ)」という評価を与えています。
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ベントレーはプラスチック使用量を大きく削減
この評価では、ベントレーが製造工程の初期に物流や製造においてどのようにプラスチックパッケージを使用しているか、また、ディーラーが新車をオーナーに引き渡す直前に保護用のプラスチックパッケージをどのように回収・廃棄しているかを調査しており、さらには現在大きな問題として認識されつつある、タイヤから排出されるマイクロプラスチックも考慮に入れているのだそう(ぼくとしては、ブレーキダストの量も考慮して欲しいところだ)。
今回の認定に指し、ベントレーの製造担当役員であるペーター・ボッシュ氏は、「今回の認定は、入荷部品の梱包に使用されるエアキャップ(プチプチ)や発泡スチロールから、車両保護やアフターセールスに使用される車体カバーやシュリンクの工程に至るまでまで、我々は一切手を抜かず、迅速かつ効果的に変化をもたらしてきた結果である」とコメント。

さらに「例えば、アウトバウンド製品のプラスチックパーツプロテクションは13点から6点に減っています。そして、私たちのクルマが完璧な状態で到着するために必要なプラスチックは、最小限、軽量、そしてCO2負荷の低いものに限ります。また、敷地内を移動させる際の不要な梱包を減らすなどの対策により、プラスチック製シュリンク包装の廃棄物を86%削減することができました」とも。
加えてリサイクルにおいては、インドとタイの2つのプラスチック廃棄物回収・リサイクルプロジェクトにも投資しているといい、ここ最近多くの企業が取り組んでいる「海洋ゴミ」のリサイクルにも力を入れているということになりそうです。
今回のサウスポールにつき、その調査内容を見ていると、「なんでもかんでもダメ」という過激な環境団体ではなく、「使わねばならない部分は仕方がないが、使った分だけはちゃんと回収するように」という「企業活動を考慮した観点から」ものごとを見ているようにも思います。

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ベントレーは昔から環境保護に熱心だった
なお、ベントレーはかなり前から環境保護に熱心で、世の中がエコエコ言う前からバイフューエル仕様のエンジン(ガソリンとエタノールの両方を使用できる)を導入したり、レザーの廃止やヴィーガン仕様にいち早く対応したり、ウール内装を取り入れたり、排出したCO2をちょっとでも回収できるように植林したり、使用するレザーにも「環境負荷が低い」認証付きのレザーを選んだりと様々な展開を行っています。
ただ、ちょっと面白いのは、ベントレーと双璧をなす超高級ブランド、ロールス・ロイスはそこまで環境に対して神経質な印象はなく、「非レザー内装も用意しているが、顧客から非レザーの注文はまったくない」と言っていることで、こういったロールス・ロイスのコメントを見ていると、果たしてベントレーの向かう方向は正しいのだろうかと考えたりします。
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参照:Bentley