ジャガーにとって「Fペイス(F-PACE)」は大きなヒットとなり、先日はその小型版「E-PACE」も公開。
さらにはエレクトリックモデルの「I-PACE」も発売が控えるなど、SUV化が一気に加速している状態です。
一方でスポーツモデルの「F-TYPE」の販売はやや弱く、2013年のデビューから累計45,000台を販売したのみ。
北米では昨年の販売が4,069台にとどまり、これはポルシェ・ボクスターとケイマンを足した6,260台に比べても見劣りする数字(F-TYPEはもともとケイマン/ボクスターをターゲットとしている)。
北米では価格を下げたグレードを投入したものの活性剤とはならなかった、ということなのかもしれません。
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反面、この現状を踏まえてもジャガーのチーフデザイナー、イアン・カラム氏によると「スポーツカーセグメントから撤退する予定はない」としており、スポーツカーがSUVの犠牲になるのは許容できない、と語っています。
つまり「F-TYPEは存続」ということになりますが、次期F-タイプはパワートレーンがエレクトリック(ハイブリッド)化されるとも言われ、これはI-PACE、そしてフォーミュラEで培った技術が反映される可能性も。
ジャガーF-TYPEは素晴らしいスポーツカーであり、「最も過小評価されている」車の一つだとぼくは考えていますが、今後フォーミュラEが盛り上がってくれば、そしてジャガーがそこで優れた結果を残すことができれば、次期F-TYPEはそのイメージを上手く反映させることで成功することができるかもしれませんね(逆にエレクトリック化ではほかブランドに差をつけることができると思われる)。
次期ジャガーF-TYPEはミドシップになる、という噂。
2015年には4600台を売り、ジャガーとしてはかなり成功した部類のモデルとなっていますが、だからと言って現状に甘んじず、「さらなる上」を目指すようですね。
これはジャガーのデザインダイレクター、イアン・カラム氏がメディアに語った内容として報じられていますが、これによって「キャブフォワードデザイン」に移行する可能性があるようで、となるとこれまで「ロングノーズ」を伝統的に採用してきたジャガーとしては大きなデザイン的転換を迎えることになります。
加えてイアン・カラム氏は「そろそろジャガーはデザイン的変革を迎える時期だ、これは何年も前から考えていたことだ」としており、 確かにI-PACEコンセプトのデザインを見てもその傾向は十分に感じられるため、「本当に」F-TYPEがミドシップになるかも、と考えたりします。
もしF-TYPEがミドシップになるとコルベットに続く大きな転換ということになり、ミドシップスポーツカーの選択肢が大きく増えることになりますね(もちろんAWDモデルもラインアップされると思われ、かなりな戦闘力を発揮しそう)。
ざっと思いつくだけでもミドシップスポーツカーはランボルギーニ各モデル、フェラーリV8モデル、マクラーレン、ポルシェ718ボクスター/ケイマン、アルファロメオ4Cなどがあり、かつてないほどミドシップスポーツが選べる時代に突入しているのかもしれません。