グラフィックデザイナー、Serdar Soyal氏の考えたジャガーの2030年ル・マン・レーサー、SS-107 Le Mans Concept。
ジャガーは直近だと1993年、その前には1990年にル・マンに参戦していますが、それ以降は参加なし。
メジャーな耐久レースにも姿を見せず、しかし最近だと「フォーミュラE」に注力していますね。
今回のSS-107についてはミシュランの開催するデザインコンペに投稿した作品となっていますが、「107」というのはジャガーがレースに本格参戦してから「107」年という意味合いがあるようです。
このSS-107は「フルエレクトリック」となっておりジャガーらしい一台ですが、構造は革新的で、モーターとバッテリーパックそれぞれをホイールに内蔵。
その上でタービンを使用して発電を行い、それぞれのバッテリーパックに蓄電するという機構を装備しています。
想定するスペックだと一回の充電での走行可能距離は1065キロ、最高時速は465キロとなっており、ピットストップで「タイヤとバッテリーごと」交換する方式を採用(けっこう合理的)。
遅かれ早かれモータースポーツにも「エレクトリック化」の大きな波が押し寄せると考えられますが、スプリントはともかく問題となるのが「耐久レース」。
モーターは高回転になるとバッテリーを極度に消費するので、その対策として各参戦メーカーは「走行中にも充電できる」システムを考えるはずですが、この辺りも「充電専用動力源」を備えて良いものか、はたまたバッテリーパックの容量は、さらに交換式とするのか充電式とするのか、など現在のガソリン車とは異なるレギュレーションを整備する必要があり、しばらくは試行錯誤が続きそう。
今回のレンダリング含め、一般にデザイナーの考えるレーシングカーはすべからくウエッジシェイプを持っていますが、現実のル・マンレーサーはウェッジシェイプからどんどん遠ざかってゆくのが不思議ですね(画像はポルシェ919ハイブリッドの2017年モデル)。
Porsche 919 Hybrid, Modell 2017