| ランドローバーの品質が宇宙で耐えられるとは考えにくい |

コンセプトデザイナー、オリバー・ボール氏の考えた「ランドローバー・ARC(Antarctic Research Concept)」。
ランドローバーとはいえどもクルマという概念を大きく超えている作品で、しかしその内容はある意味で斬新。
実際に「コンテックス・アワード・フォー・デザイン&イノベーション」にて最優秀賞を獲得したそうですが、その内容を見てみましょう。
車というよりはむしろ「基地」
このランドローバー「ARC」の特徴は、建物と車体とが「セット」になっていること。
南極での活動や研究をイメージしたもので、拠点となるのはこの「ランドローバーハブ」。

こちらが「車体」。

太陽電池、タービンによる風力発電機能を備えている、とのこと。

サイズ感はこんな感じ。
室内では、世界で最も身長の高いオランダ人男性の「ほとんど」が立って移動できるほどの空間を持つという設定です。

そして、このランドローバーARCは、こんな感じでランドローバー・ハブと車体とがドッキング。
これによって充電を行うほか、外気にさらされずに人員がハブと車体とを行き来可能に。

そして車体の内部構造はこう。
車体後部の丸い部分にはまるまるディフェンダーを格納可能です。

居住空間は「レンジローバー並の」快適性を持つラウンジを持ち、車内で研究ができるラボも備えます。
なお、ランドローバーの「ローバー」には「海賊」や「放浪者」という意味がありますが、それに加えて「探査機」という意味も。
よって月面探査車も「ルナローバー」と呼ばれていましたが、その意味ではこの「ランドローバーARC」も「探査機」と捉えたほうが良いのかもしれませんね。
テラフォームを担当する「火星でのランドローバー」も
そのほか、火星にて活動するランドローバーも同コンテストに出展された模様(別のデザイナーによる)。

こちらは「カーゴロケット」に搭載して車体を火星へと送り、到着後に組み立てるという考え方。

車体が完成するとこんな感じ。
バッテリーとモーターを持つ「トルクユニット」、そして人が乗る「キャビン」、あとはミッションにあわせて交換可能な「モジュール」という3ピース構成です。
救急用、建築用、通信用などいくつかのパターンがあるようですね。

クルーが着用するのはこういった宇宙服。
なお、このランドローバーが担当するのは「火星のテラフォーミング」という設定です。

「自動車メーカーが宇宙に」というのはやや荒唐無稽なようにも思えますが、実際に月に送られた月面車はポルシェの設計ですし(製造は別)、先日トヨタも「月面車を開発する」とアナウンスしたばかり。
しかし、もし宇宙に行くとなると「品質評価が万年最下位」のランドローバー製ロケットや探査機はちょっと恐ろしく、命を預けるのは遠慮したい、と考えています(もしそのとき選べるなら、ポルシェとトヨタの宇宙船以外は乗りたくない)
VIA:Behance