ウィリアムズはおそらくソリッドステートバッテリーの実用化に一番近いところにいる
ロータスとウィリアムズが「テクニカルパートナーシップを締結した」と発表。
よって両社は今後共同にて次世代パワートレーンを研究することになりますが、ロータスは「今回の提携によって、我々の知識やポテンシャルは大きく向上することになるだろう。様々なセグメントにおいてこの技術が使用されることになり、その成果は自動車産業の勢力図を塗り替える」とコメントしています。
ウィリアムズは単なるF1コンストラクターにとどまらない
なお、ウィリアムズ(アドバンスド・エンジニアリング)というと「F1コンストラクター」としてよく知られ、とくにアクティブサスペンションとトラクションコントロールの導入による圧倒的な強さが記憶に残るところ(これはマンセルの正確無比な走りがあってこその勝利だったとも言える)。
その後のF1では自動車メーカーがコンストラクターとして支配することも多くなり、そのため影が薄くなりがちではあるものの、フォーミュラEのバッテリーサプライヤーは開始直後からずっと「ウィリアムズ一本」。
さらにウィリアムズはモータースポーツという範疇にとどまらず、アストンマーティン・ラピードEのパワートレーンの開発を行ったり、ブロンプトンの自転車「BROMPTON ELECTRIC」の開発、ジャガーのハイブリッドスーパーカー、C-X75のパワートレーンを担当した実績もあり(ロータス含めてパートナーは英国が多い)、現時点で「自動車業界において、もっとも強いエレクトリック/ハイブリッド関連企業のひとつ」だとも言えそう。
新興自動車メーカーの開発パートナーにも
なお、ウィリアムズはジンガー・ビークルデザインの開発した「新型空冷」エンジン、およびそれを搭載する「ジンガー・ポルシェ911 DLS」の開発にも参加していることでも知られていますね。
そのほかだと「ソリッドステートバッテリー搭載市販車第一号」と言われるシンガポール初のハイパーカー”VANDA エレクトリックス・デンドロビウム”の開発もウィリアムズ(車体の設計、デザイン、製造を担当)。
ロータスは強力なパートナーを獲得しハイパー化市場へと参入
そしてロータスについては、先日「オメガというプロジェクト名にてハイパーカー市場参入」と報じられたばかりですが、この「オメガ(”究極”の意味)」は1000馬力を超えるEVであり、かつ次世代バッテリーを搭載した軽量ハイパースポーツというウワサ。
0-100キロ加速は2秒台を標榜し、テスラ・ロードスターやリマックC_Twoが直接のターゲットではあるものの、その価格は2億6000万円程度に達するとされ、ブガッティ・シロンやケーニグセグ・レゲーラあたりまでも競合に入る、と言われています。
デンドロビウムにせよ、プロジェクト・オメガにせよ「次世代バッテリー」搭載が前提であり、となるとウィリアムズはついに固形バッテリー(ソリッドステートバッテリー)実用化の道を付けたと考えられ、ポルシェやリマックに先んじることになりそうですね。