マクラーレン720Sにとっては、まるで悪夢のようだ
マクラーレン720Sはとにかく「ドラッグレース最強」として知られ、それまでのキングであったテスラ・モデルS P100Dでも全く敵わないほど。
フェラーリでもランボルギーニでも、ブガッティであっても、そして合法ドラッグレーサーであるダッジ・チャレンジャーSRTデーモンでも歯が立たないというのが現状ですが、今回なんとマクラーレン720Sが「完敗」してしまう相手が登場しています。
まさかネオクラシックポルシェをエレクトリック化した男がいたとは
そのマクラーレン720Sを破ったのは「オールエレクトリック」ポルシェ。
そしてそのポルシェとはもちろん発売前の「タイカン」でもなく、なんと「944をフルエレクトリックにコンバートしたカスタムカー」。
ポルシェ944は1983年に登場したポルシェのFRモデルで、1986年発売の944ターボは「世界一ハンドリングに優れるスポーツカー」と評されたほど。
ただ944が不幸だったのは身内に「911」という不動の大黒柱がいたことで、よって「他のメーカーのラインナップ内であればトップを取れた」ほどの実力を持ちながらもその評価は911に比べて劣ることに。
そんなポルシェ944ですが、根強いファンも多く(ぼくもその一人)、近年その魅力が再評価されることによってその価値はうなぎのぼり。
ただし今回マクラーレン720Sを下したポルシェ911は上述の通り「フルエレクトリック」へと改造され、2つのモーターを装備することに。
面白いのは「モーター2つ」にもかかわらず、それらは「前後」に配置されて4輪を駆動するのではなく、それぞれ「後輪左右」を駆動すること。
モーターの取り付け位置は不明なので「ミドシップ」なのか「RR」なのか、はたまた「インホイール」なのかはわからないもの、とにかくその出力は「980馬力」、そして車体重量は驚きの「1110キロ」。
つまりもうちょっと頑張れば「パワーウエイトレシオが1」というところが見えているクルマです。
そしてスタートではもうもうとタイヤスモークを上げますが、きっちりトラクションをコントロールできているようで、ロスも無くきれいにスタート。
ちなみにタイヤ自体の空気圧はさほど下げていないようですね(サイドウォールにシワがよっていない)。
そしてスタートからアッサリとマクラーレン720Sを置いてきぼりに。
ただ、いかにパワーが出ていても、いかに軽量であってもトラクションがかからなければゼロヨンにおいて勝つことは難しく、しかしこのエレクトリック・ポルシェ944はしっかりとトラクションを確保していることがわかります。
そして高トルクを発生するエレクトリックモーター2個で「左右後輪を」駆動するということは、「ちょっとバランスを間違うとまっすぐ走らない(もしくはスピン)」ということを意味するものの、この「矢のような直進性」を見るに(驚くべき)高い技術で制御されている、と言えそうですね。
それでは動画を見てみよう
こちらが「無敵」のマクラーレン720Sを、エレクトリック仕様に改造されたポルシェ944が一瞬で置き去りにしてしまう動画、「720S GETS ELECTROCUTED * 4,000 AMPS takes down the McLaren 720S in a 1/4 Mile Drag Race」。
これを見ていると、今後は「安価な改造車ベース」を手に入れ、そこに強力なモーターを組み込むという方法がプライベーターにおけるゼロヨン必勝の法則となりそうでもあります。