| フェラーリ・モンツァSP1/SP2に対抗? |

マクラーレンは「セナ」「スピードテール」の属する”アルティメットシリーズ”のニューモデルとして、新しくオープンコクピットそして”公道でも走行を楽しめる”ハイパーカーを(今年末か、来年頭に)発売する、と言われます。
そして今回公開されたのが、その「マクラーレンの新型スピードスター」のレンダリング(720Sとスピードテールとをうまく混ぜている)。
現在マクラーレンはこのアルティメットシリーズの他、720Sの属する「スーパー」シリーズ、570S/570GT/540Cの属する「スポーツシリーズ」を保有しています。
これに加え、つい先日グランツーリスモである「GT」を発表している、というのが現在のマクラーレンにおける状況ですが、いずれもエンジンは「V8ツインターボ」をミドシップマウントし、かつ車体構造は「カーボンモノコック」。
マクラーレンは「車ごとに味付けや用途を変える」必要がある
つまり、マクラーレンの持つクルマはいずれも「似たような構造やコンポーネントを持っている」ことになりますが、同じパーツを使用していても「味付け」を変えなければ一人のオーナーに複数台購入しもらったり、これまでとは異なる客層を呼び込めないということを意味し、つまりは「販売を伸ばせない」ということに。
そのため、マクラーレンはスーパースポーツそしてサーキット走行をメインの用途とした720Sに加えて、「長距離移動」「快適性」を標榜した”GT”を発売したのだと思われ、これは「アルティメットシリーズ」にもあてはまり、実際にサーキットでのタイムを重視した「セナ」に対し、「旅行」「ツーリング」を主な用途として設定した「スピードテール」を発売。
言い換えれば、セナは「コーナリングスピード」、スピードテールは「直線での最高速」ということになりそうですが、こうやって性格を変えれば「一人で二台(一台づつ)」購入してくれるだろう、という戦略なのでしょうね。
そこへきて今回の「オープンモデル」ですが、これはセナ、スピードテールのいずれとも競合しないもので、マクラーレンは「これら3台をガレージに並べて欲しい」のかもしれません。
現時点では、この新型スピードスターがどういったパフォーマンスを誇り、どういったデザインになるのかは全く不明。
ただ、マクラーレンの過去のレーシングカー(というとM1しかない)にモチーフを求めるとも言われ、これはフェラーリの限定シリーズ「モンツァSP1」「モンツァSP2」と同じ手法。
ポルシェも同様に「過去へのリスペクト」が感じられるデザインを採用する傾向が強くなっていますが、これは「歴史ある」、そして「モータースポーツで実績を積み上げてきた」メーカーのみができる手法であり、パガーニやケーニグセグ、そのほかどんどん出てくる新興スポーツカー/ハイパーカーメーカーへの対抗手段であるとも考えられます。

おそらくエンジンは例によってV8ツインターボを採用し、その車の性格からして「シンプル&軽量」に仕上げるためにハイブリッドシステムは非搭載の可能性が大。
出力は800馬力前後になると思われますが、ライバルたる「フェラーリ・モンツァSP1/SP2」の800馬力を超えるてくるかもしれませんね。