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世界限定75台、マクラーレン・セナGTRが競売に登場予定。予想落札価格は思いのほか「高くなく」、新車価格のちょっと上。さすがにサーキット走行専用モデルは供給過多?

2019/11/25

| いずれは各社とも、このビジネスモデルが破綻する日がやってくるのかも |

オークションハウス、RMサザビーズ開催の競売にて「マクラーレン・セナGTR」が出品(転売)されることに。
セナGTRは言わずとしれた「セナのサーキット走行専用モデル」で、エンジンはセナと同じ4リッターV8ツインターボではありますが、新設計のインコネル、チタン製エキゾーストシステムが与えられることでその出力は800馬力から825馬力(814HP)へと向上しています。
それに加え、エアロパッケージの変更そして軽量化(-10kg)によって、マクラーレンいわく「マクラーレンがこれまでに生産したクルマの中で、セナGTRよりも速いクルマはF1マシンしかない」というほどの過激な一台に仕上がっています。

マクラーレン・セナGTRはダウンフォースを集中して強化

エアロパーツ(とくにフロントスプリッターやリアウイング)は見るからに「効きそう」な形状を持っていて、実際にセナGTRはダウンフォースを追求したために最高速が犠牲になっており、よって最高速度はセナに比べて10キロマイナスの330km/h。
なお、セナGTRの発生するダウンフォースはセナの「800kg」からさらに200kg積み増しした「1000kg」だと報じられています。

McLaren-Senna-GTR2

サスペンションについてはマクラーレンのGT3レースプログラムから直接フィードバックを受けたものを使用しているとのことで、もちろん公道走行は考慮していないので可能な限り車高は落とされることに。

McLaren-Senna-GTR4

マクラーレンにおいて、セナGTR同様の性格を持つクルマとしては「P1GTR」があり、これはP1のサーキット走行専用モデル。
こちらはP1に比較して+85馬力を誇りますが、その分価格もかなり高く、P1の約1億円に比較してP1GTRでは3億円。
ただしセナの新車価格は1億円ほど、そしてセナGTRの価格は1億6000万円なので、セナGTRはP1GTRほど高くないプライシングを持つということになります。

McLaren-Senna-GTR6

その(セナGTRの価格がさほど高くない)理由は不明ですが、マクラーレンが「ロードカーをベースにしたサーキット専用モデルを製造することに慣れてきた」ことや、レースの活動経験が豊富になってきたことからフィードバックを受けることができる技術が増えたこと、そしてなによりも「もともとセナは究極の性能を持っていて、あまり手を入れるところがないんじゃないか」とも考えています。

McLaren-Senna-GTR7

なお、セナGTRの生産台数はわずか75台のみで、購入権を持つのはセナ(150台限定)を購入済みのオーナーだけ。
この個体については75台のうちの17番目とのことで、走行距離はわずか64kmのみだそう。

McLaren-Senna-GTR5

P1 GTRのうち、約半数が「公道走行可能な仕様へとコンバート」れているともいいますが、セナGTRも、75台のうち相当数がやはり公道仕様へと変更されるのかもしれませんね。

サーキット専用「マクラーレンP1 GTR」の半分がなんと「公道仕様」へとコンバートされていた!そのうちの1台をマクラーレン正規ディーラーが4.2億円にて販売中

マクラーレン・セナGTRのインテリアはスパルタン

セナGTRは公道走行に必要な、そしてサーキット走行に不要なデバイスを備えておらず、よってインテリアは非常にシンプル。
まさに男の仕事場といったスパルタンな雰囲気も漂います。

McLaren-Senna-GTR3

セナGTRのトランスミッションは7速シームレスシフトギアボックス(SSG/デュアルクラッチ)で、これは公道走行可能なセナと同じ。

McLaren-Senna-GTR10

RMサザビーズの予想だと、今回のセナGTRの落札価格は1億6500万円~1億9000万円程度になるだろう、とのこと。
新車価格が1億6000万円ということを考えると、「意外と低い見積もり」のようですね。
さすがにこれだけハイパーカーやサーキット走行専用モデルが出てくると、「供給過多」となってくるのかもしれません。

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