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マクラーレンはまだまだ限定ハイパーカーを用意しているようだ!そろそろ顧客は「お腹いっぱい」の飽和状態だと思われるが

2020/12/01

マクラーレンの新型ハイパーカー、「セイバー」

| 特許画像を見るに、「セイバー」だと思われる |

さて、経営の危機も囁かれるマクラーレンですが、攻勢の手を緩めることはなく、今回は新型ハイパーカーと見られる特許画像が公開されています。

この車両については詳細がわからず、しかしデザインを見ると「BC-03」のコードネームで呼ばれていたクルマで、つい最近北米のディーラーイベントにて「セイバー(SABRE)」として展示されたプロトタイプとの共通点が多いように見えますね。※BCとはビスポーク・クリエイションを意味している

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マクラーレン・セイバーには謎が多い

なお、このBC-03ことセイバーについては、昨年の夏にそのウワサが出てきていて、その際には「個人のオーダーによるワンオフモデル」とされていたものの、その後は「数台レベルで少量生産される」という話に転じています。

ただしさらにその後に北米のディーラーにて展示イベントが開催されており、ノボリ(バナーフラッグ)まで用意されている様子を見ると、数台ではなく数百台というレベルで(つまりはセナやエルヴァ、スピードテールくらいの規模で)販売される可能性もありそうです。

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なぜマクラーレンはハイパーカーを多数リリース?

マクラーレンは多数のハイパーカーをリリースしており、P1にはじまりセナ、スピードテール、そしてエルヴァといったクルマも。

一方でP1と同時期に「918スパイダー」を発表したポルシェはその後ハイパーカーをリリースしておらず(ただしサーキット走行専用モデル、935クラブスポーツが77台限定で発売されている)、同じタイミングで「ラ・フェラーリ」を発売したフェラーリはその後このオープンモデル「ラ・フェラーリ・アペルタ」「モンツァSP1/SP2」を追加したのみ。

一方でマクラーレンは上述のようにどんどんハイパーカーを追加しているということになりますが、これは単に「利益が出るから」だと思われます。

これらハイパーカーは「数億円」というプライスタグを掲げることになり、もちろん相当な開発費もかかっているということになるものの、そのぶん利益も大きい、ということですね。※直近のフェラーリにおいても、販売台数わずか499台、しかもすべてがデリバリーされたわけではないと思われるモンツァSP1/SP2の利益貢献度が大きい

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ただしハイパーカー乱発は諸刃の刃

フェラーリ以外の例を見ても少量生産モデルが自動車メーカーに大きな利益をもたらすということは明らかではありますが、しかしこれを大量に売るというのは至難のワザ。

たとえばブガッティは限定台数500台の「シロン(2016年発売)」をいまだ売り切ったわけではなく(それでも先代のヴェイロンに比較すると倍ほどのペース)、ポルシェも918スパイダー(918台)を売り切るのに5年近くを要しているわけですね。

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参考までに、ランボルギーニはこういった「ハイパーカー販売難しさ」「希少性の重要さ」を理解しているものと思われ、ちょっと前だとレヴェントン、最近だとヴェネーノやシアンFKP37/シアン・ロードスターの販売台数も「数台から数十台」とかなり少ない台数に抑えているようですね。

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マクラーレンのハイパーカーは飽和状態?

そしてマクラーレンに目を移すと、P1(2013年、375台)、セナ(2018年、500台)、スピードテール(2020年、106台)、エルヴァ(2020年、399台から149台へ)といったハイパーカーがリリース。

とくにエルヴァについては予定台数の399台が思うように売れなかったと報じられ、まずは249台に、そしてその後は149台へと限定台数が引き下げられています。

こういった状況を見るに、すでにマクラーレンのハイパーカーは「おおよそ顧客の手に行き渡った」とも考えられるため、これ以上のハイパーカー追加は色々な意味で「危険」なのかもしれません。

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もちろんマクラーレンはそういった状況を理解しており、これまでにもP1はハイブリッド、セナは究極のサーキットウェポン、スピードテールはグランドツーリングと最高速志向のロードカー、エルヴァはドライビングプレジャーを追求したスピードスターといった「明確なキャラクター」を個別に与えてきたということになるものの、さすがに顧客からすると「もうお腹いっぱい」なのだとも思われます。

ちなみにマクラーレンは、セナやスピードテール、エルヴァのように大々的に売り出すハイパーカーがある一方、セナLMや、かつての688HSのように「公にしない」限定モデルも発売しており、このあたりはどうやって「線引き」を設けているのかちょっと不明。

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なお、マクラーレンは「セイバー」のほか、「Arkon」「Veo」「Vion」といった商標を登録していると報じられており、これらもハイパーカーを含む、今後発表されるニューモデルの名称として使用されるのかもしれません(なんとなくエキゾチックな響きを持つネーミングが増えてきた)。

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参照:UK Registered Design Service, Autoweek, Motor1

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