ミニは販売台数減少を受け入れ、生産コストを下げることで利益を確保か

ミニは遠くない将来に、初の量産フルエレクトリックモデル(以前に少量にて限定販売している)となる「MINI E」を発売することになり、ピュアエレクトリック化へと踏み出そうとしているところです。
そして今回BMWにて、ミニとロールスロイスを担当する役員、ペーター・シュワルツェンバウアー氏がAuto News に語ったところでは、「これを機に、ミニはエレクトリック化へ大きくシフトする」とのこと。
ミニはすでに「生き残るにはエレクトリックブランドになるしかない」と発言
ミニは現在北米市場での販売が減少しており、そのブランドの方向性を決めかねているところで、しばらく前に「生き残るにはピュアエレクトリック化しかない」と宣言したところ。
その後新しいデザイナーを迎え入れてデジタルネイティブたちへの訴求方法を考えている段階だと思われますが、ミニがこの方向性へと明確に舵を切るきっかけとなったのはミニ・クロスオーバーPHEV(プラグインハイブリッド)だそう。
というのも、現在クロスオーバーの販売のうち13%を占めるのがこのPHEVだと示し、これはミニにとって「大きな成功」といえる数字。
そしてこの成功によって「やっぱりこれ(エレクトリック化)しかない」と考えたようですね。
そしてペーター・シュワルツェンバウアー氏は「エレクトリック化と、ミニの持つ性格、つまり都市部におけるコミューターとしての役割は非常にマッチしている」と述べ、長期的にはピュアエレクトリックモデルを拡充すること、そしてミニの全モデルにエレクトリック化されたグレードを用意する、とも語っています。

ただしいくつか懸念があり、「エレクトリック化がどれくらいの速度で進むのかはわからない」とし、つまりこれは世間でのエレクトリックの受け入れ体制、そしてバッテリー含む供給体制両方においての懸念を示したものかもしれません。※エレクトリック化については自社でコントロールできない部分も多い
よって、「様子を見ながら」長期的にエレクトリック化を進めてゆくというのが同氏の見解ですが、ぼくら消費者にとっての懸念は「生産地」。
というのも、ミニは中国の長城汽車とエレクトリックモデル生産に関する提携を行っていて、ミニのエレクトリックモデルは将来的に、中国に建設される新工場に集約される可能性が大。
そしてミニは遠くない未来に「販売台数が減少する」ということも視野に入れていて、その場合には「一台あたりの利益を増加させること」でブランド全体の利益を確保したいのだと思われます。
この根拠としては、現在の「お金のかかった」プラットフォームを廃止し、やはり長城汽車とのタッグにて「よりコストの安い」プラットフォームを使用する方向へと動いていることが挙げられ(ミニの場合、高級車発売による”販売価格引き上げ”は難しい)、今後のミニがコストダウンされるのは間違いないのかもしれません。