
| BMWはとにかく”台数”や”利益”など数字に厳しい。顧客を無視してコストをカットする傾向がある |
フェイスリフト(マイナーチェンジ)版となる新型ミニ・クロスオーバーのプロトタイプが走行中。
現行世代としては「ミニ・ハッチバック」「ミニ・コンバーチブル」「ミニ・クラブマン」がすでにフェイスリフトを受けていますが、今回は最後のメンバー、クロスオーバーがフェイスリフトを迎えるということですね。
なお、フェイスリフト発表時期については定かではなく、3月のジュネーブ、もしくは9月のパリ・モーターショーではないかと報じられています。
その変更は非常に小幅
このプロトタイプが捉えられたのは欧州北極圏で、定番の「ウインターテスト」中。
フロントそしてリアをカモフラージュ用のシートで覆われており、つまりはそこが変わるということになりますが、フロントだと先にフェイスリフトを受けたクラブマン(下の画像)のように「グリルを一体構造のように見せる」デザインへと変更されるのかもしれません。

加えて画像からはヘッドライトの内部構造が変更されること、リアではバンパーそしてテールランプがユニオンジャックへと変更されるであろうことがわかりますね。
なお、リアホイールハウス内には雪がたんまりと詰まっていて、つまりリアのホイールハウスからはエアが抜けないんだろうなということも推測可能(雪上テストは、雪の付き具合にて、これまでわからなかったことがわかったりする)。

画像を見る限りでは極めて変更範囲が小さく、エンジンについても「キャリーオーバー」と言われます。
変更がある部分としては「ボディカラー」「ホイール」「オプション」くらいだと言われていて、フェイスリフトというよりは「モデルイヤーごとの小変更」といった印象も。
内装については、おそらくインフォテイメントシステムが刷新されてディスプレイが大型化されると言われていますが、こちらもほかに大きな変更はないだろうと言われていますね。

なぜ「力の入っていないフェイスリフト」に?
こういった内容を見るに「BMWはミニに対して情熱を失っている」ように思われますが、現在ミニは継続的に販売を落としており、これはBMWにとって「想定以下」。
つまりかけたコストに見合うリターンが得られていないということになり、よってBMWは「もう現行ミニにお金をかけたくない」のかも。
ちなみに3ドアハッチバックについて言えば、先代のR56からF56へとスイッチするにあたり、サスアームがアルミからスチールになるなどコストダウンが図られていますが、そもそもBMWはモデルチェンジやフェイスリフトのたびにコストダウンを図るメーカーもであり、これがぼくにとって「BMWはあまり信用できない」と考えている部分。
それでもF56に使用されるプラットフォームは「お金がかかりすぎ」だとBMWは認識しているようで、次世代ミニではプラットフォームごとコストダウンされるという情報も出ていますね。

さらに次期ミニはエレクトリック化にあわせて中国生産となる可能性も指摘されていて、これが事実であれば、やはりBMWは「ミニにはお金をかけず、そこそこの販売でそこそこの利益を得られればそれでいい」と考えているのかも。
なお、ミニの販売失速については「クロスオーバー人気」に加えて「ライバルの追い上げ」があると思われますが、後者については「ミニの魅力が相対的に失われてしまったから」と言いかえることも可能。
つまりミニは現代において「ライバルに比較して割高で、購入意欲をそそらない」クルマとなってしまったということを意味し、これはいちミニファンとしては寂しい限り。
そしてなぜミニが魅力を失ったのかということですが、これはやはり「BMWや、ミニ内部の人々が情熱を失ってしまったからだ」と考えています。
BMWについては「利益が出ない」からミニに対して費用を投じたくはなく、ミニが仮に「いいクルマを作ろう」と考えたとしても、親会社であるBMWが「NO(何もするな)」と言えばそれまでで、これによってミニの人々もモチベーションを失ってしまったんじゃないか、と勝手に推測しているわけですね。
VIA:CARSCOOPS