
| 250台目のシロンは真っ黒な”シロンスポーツ・エディション・ノワール・スポルティブ” |
ブガッティが「250台目のシロンの生産が完了した」と発表。
ブガッティ・シロンは500台のみの限定生産ですが、発表されたのは2016年。おおよそ10年のモデルサイクルを想定していると言われ、しかし4年にして半分を生産した、ということになりますね(実際の生産は2016年後半からであったことを考えると3年ちょっとでここまで来た)。
そしてこの”250台目の”シロンは昨年発表されたスペシャルモデルであるシロンスポーツ・エディション・ノワール・スポルティブ。
ボディカラーはマットフィニッシュのネイキッドカーボン、さらにはスポイラーやグリルまでもマットブラック仕上げとなっています。
シロンスポーツ・エディション・ノワール・スポルティブに搭載されるエンジンは8リッターW16、”スポーツ”スペックなので出力は1600馬力。
その価格はおよそ3億7000万程度とアナウンスされています。
シロンスポーツ・エディション・ノワール・スポルティブはこんなクルマ
この250台目のシロンスポーツ・エディション・ノワール・スポルティブは2016年にシロンが発表された場でもあるジュネーブ・モーターショーに展示され、その偉業をたたえることに。
上述のように「真っ黒」な仕様を持ちますが、ホイールやリアフェイシア、ディフューザー等は「グロス仕上げ」となり、同じブラックでも光沢によるコントラストが設けられているのも特徴のひとつ。

チタン製のテールパイプもブラック仕上げを持つようですね。

フロントだとグリルメッシュ、グリルサラウンドもブラックで、まさに「真っ黒」。

ブガッティのエンブレム内部もブラック。

給油口とその付近はグロス仕上げのカーボンファイバー。
「Chiron Sport」のバッジが取り付けられています。

リアウイングの裏面には「Noir(ブラック)」の文字。
筆記体がエレガントですね。

シロンスポーツ・エディション・ノワール・スポルティブの内装はこうなっている
そしてこちらはシロンスポーツ・エディション・ノワール・スポルティブのインテリア。
エクステリアに負けず劣らず真っ黒といった印象ですが、通常のシロンであればアルミをポリッシュにて仕上げた部分も全部ブラック。
シフトノブ、スイッチ類、メーターベゼル、はてはペダルまでもがブラックフィニッシュとなっています。

シートにはダイヤモンドステッチが採用され、ヘッドレストには「Noir」の文字がブラックにて刺繍(つまりブラック・オン・ブラック)。

ブガッティCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏によると、今回の250台目のシロンが完成したのに加え、150台のシロンが売約済み。
つまり500台のうち400台の枠が埋まったということになり、残るシロンはあと100台。
シロンを購入するには資金も必要ではあるものの、社会的地位など「資格」も必要であり、それをクリアするのは非常に困難です。
これがシロンの販売を難しくしている理由ではありますが、顧客を選ぶからこそブガッティブランドは強固であり続けるのでしょうね。
そういった困難な選別を経て「選ばれた顧客」は当然ながらブガッティに対して帰属意識を持つことになり、これが「一人で何台もブガッティを所有する」という傾向にもつながっていますが、さらにブガッティは複数台購入させるための仕掛けを用意しており、それが今回のスペシャルエディションやディーヴォ、チェントディエチ、シロン・スーパースポーツ300+といった限定モデル。
こういった「特定顧客向けに、こまめにスペシャルエディションを出してゆく(重要顧客を重用し、1製品あたりの希少性を高める)」手法が現在のブランドとしての正しいあり方なのかもしれません。