| まさかブガッティが一般人を乗せてニュルブルクリンクを走るとは |
さて、極めて異例なことだと思いますが、ブガッティが開発中のシロン・ピュール・スポールに一般人を乗せて走った模様。
その一般人とはニュルブルクリンクに特化したユーチューバー、Misha Charoudin氏で、同氏はこれまでもニュルブルクリンクを自身で走行した映像、そこを走るクルマを捉えた動画を公開しています。※プロトタイプのラップタイムを手計測して公開したり、ということも
Misha Charoudin氏につき、かなり地味な(マニア受けする)ユーチューブチャンネルを展開しているという点において、過去にブガッティ本社に招かれたスーパーカーブロンディ氏、Shmee150氏とはまったく異なる性質を持ち(この両者は一般受けする)、なぜブガッティが同氏に白羽の矢を立てたのかはまったくの謎。
おそらくは同氏の専門性を高く評価したのだと思われ、そして今のところシロン・ピュール・スポールに乗った一般人はMisha Charoudin氏ただ一人、とのこと。
走行ペースは「限界」とまでは行ってない?
なお、動画を見るに、「限界アタック」というわけではなく、やや安全マージンを取って走っている模様。
さすがに一般人を乗せての走行でもあり、まかり間違ってもクラッシュはできない、ということなのだと思われます。
助手席に乗ったMisha Charoudin氏も両手でGoProを持った状態をキープしているので、かかるGも極端に大きくないように見えますね。
シロン・ピュールスポーツは「もっともエクストリームなシロン」
シロン・ピュールスポールは「シロン史上もっともエクストリームなシロン」であり、その価格は約3億8000万円。
通常のシロンの「倍」の価格を持つということになりますが、エンジン、トランスミッション、サスペンションはもちろんエアロパッケージなど全域に渡って手が入ったクルマ。
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| たしかに見た目があまり変わらないのに「倍の値段」はおかしいと思ってた | ブガッティはシロンの限定モデル、「ピュールスポール(ピュアスポーツ)」を発表していますが、現在は発売に向けて開発を進行中。 ...
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なお、ブガッティは「1台の車に最高速とコーナリングという、異なる要素を高次元でバランスさせることはできない」とし、最高速については「シロン・スーパースポーツ300+」、そしてコーナリングについてはこの「シロン・ピュールスポール」をトップに位置づけています。
この方針は今までとは異なるものですが、そのおかげでシロンの持つポテンシャルを(各方面において)妥協なく発揮できるようになったとも考えられ、これでまたいっそうファンを増やしたり、ニュルブルクリンクにおける新たな記録が誕生するのかもしれません。
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ブガッティは今後最高速争いを行なわず、代わりに追求するのは”コーナリング”。「一台の車の中に最高速とコーナリングとは同居できない」
| すでにブガッティが世界最速であることは誰もが承知済み。今後は別分野で違いをアピールか | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/498088316 ...
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シロン・ピュールスポールは軽量化に加えて足回りの強化、ダウンフォースの追求、ドライブトレーンの最適化によってコーナリングをとことん極めたクルマであり、そのため「時速400キロ以上」だったシロンの最高速を350km/hに落とし(ギアのクロスレシオ化やダウンフォースの強化で)、その代わり350km/までにすべてを凝縮したわけですね。
ブガッティは「最高速争い」にウンザリという見解を示しており、記録にこだわることに価値を見いださないとしているため、ニュルブルクリンクのタイムアタックを行うかどうかは不明ではあるものの、「いったいシロン・ピュールスポールはどれくらいのタイムでニュルを集会できるんだろうな」と考えているのはぼくだけではないはずで、今後の動向にも注目したいところです。
なお、今回の「ニュルブルクリンク同乗体験」はサーキット貸し切りにて行われたようですが、別の機会もしくは時間帯に走行するシロン・ピュールスポールのすがたがはShmee150氏によって目撃されていた模様。
同氏が公開した動画の中には、ポルシェ911GT3、アウディS3、BMW M5 CS等に混じってシロン・ピュールスポールの姿も確認できます。