| 信頼のアウディが「発火」を理由にR8をリコール |
アメリカにて、アウディがR8をリコール。
これは現行モデルのクーペとスパイダーが対象で、2015年11月7日から2017年11月14に製造された個体が含まれ、合計で1,916台がリコールに。
なお、内容としては「極限状態での走行を行うと、ギアボックス・ベンチレーションホースからトランスミッションオイルが漏れる可能性がある」というもので、極限状態とはサーキットで行うような高速走行やコーナリングを指している、とのこと。
よって多くのドライバーにとっては問題となるものではなさそうですが、もとが「パフォーマンス重視」のクルマだけに、一部の人にとっては懸念となるのかもしれません。
最悪の場合は「発火」も
さらにアウディはオイルが漏れるとそのオイルが熱を持ったエンジンもしくはその周辺パーツに付着して発煙する、そして最悪の場合は「発火」もある、と指摘。
もしこれが発生した場合、センサーはこれを検知できず、よってメーター内に警告灯が点灯することはないものの、「臭い」もしくは「煙」といった体感上の情報でこれが明らかに判別できる、と述べています。
ちなみにアウディがこれに気づいたのはサーキットで使用されたR8が今年5月に発火したことが発端で、その後の調査で今回の原因に行き当たったようですね。
アウディは本件について、すでにオーナーに連絡を取り始めているとしており、順次クルマを入庫させて対応を進める模様。
対応としては「シングル」ベンチレーションホースを「ダブル」ベンチレーションホースに交換するとしており、この新しいホースはすでに現在生産されているR8には装着済み。
もちろんこれにかかる費用は「無料」だとされています。
スーパーカーはちょっとしたオイルの付着でも発火することがある
ちなみにスーパーカー=燃えるといった世間一般の認識があるかと思いますが、実際にこんな感じで燃える可能性があるのがスーパーカー。
その理由は幾つかあるものの、大きな理由として「発熱の大きなエンジン」が存在するのは間違いないところです。
ガソリンエンジンは「ガソリンを燃やして」パワーを稼ぎますが、パワーが大きくなればなるほどエンジンが熱くなり、その熱さは「予想外」。
よって、通常のクルマでは問題にならないようなことになるのがスーパーカーで、つまりスーパーカーが燃えるのは「作りが適当」なわけではなく、「常識を超えた現象が発生する」ため。
なおエンジンの熱については、排気量も関係するものの回転数(摩擦はバカにできない)、そしてターボの有無も重要な要素。
小排気量であってもターボエンジンは大きな熱を発生することになり、オイル注入の際に「ちょっと」エキゾーストマニホールドにこぼしてしまったオイルから発火する、という可能性もあるわけですね。