
| 中国EV市場の拡大とともに各自動車メーカーのEV戦略も一気に変革を迎えそうだ |
さて、刻々と上海モーターショーの開幕が近づいており、そこでは各自動車メーカーとも様々な新型車を発表する模様。
現在中国は急激にエレクトリック化を(政府主導にて)進めており、おそらくは直近にて”最も大きな”電気自動車の市場となるのは間違いないものと思われます。
そういった理由もあって世界中の自動車メーカーが中国におけるプレゼンスを確保しようと躍起になっており、トヨタ、アウディ、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン等がこぞって現地でのワールドプレミアとなるニューモデルを投入するようですね。
なお、今のところBMWからはブランニューモデルのアナウンスはなく、iXとi4を上海モーターショーの主役に据えるものと思われ、となると中国人にとっては「納得が行かない(メンツを重んじるので、中国で初公開する車種を用意して欲しい)」ということになるのかも。
このあたり、BMWは中国市場を重視しているようで、あまりその国民性を重視していないのでは、とも思える部分です。
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アウディは新しいe-tronを投入
なお、アウディはe-tron GTを発売したばかりですが、今回中国ではまた別のe-tronを発表する模様。
公開されたティーザー画像を見るに、「スタイリッシュなクーペスタイルセダン」といった印象で、ロングボディが大好きな中国にあわせたのか、かなり長めの車体を持っているようですね。
とくにリアセクションが長く、後席の居住性、トランクスペースを確保したのであろうことがわかりますが、中国の嗜好にあわせたところを見るに、この新型e-tronは中国専売なのかもしれません(明らかにe-tron GTと競合するので、他の地域では販売しない可能性が高い)。
ちなみにこちらは一足先に公開された、フロント部分を示すティーザー画像。

参照:Audi(Weibo)
メルセデス・ベンツは「EQB」を発表
そしてやはり中国市場を重視し、エレクトリック化を加速させるメルセデス・ベンツも上海モーターショー向けに新型車「EQB」を用意。
その名の通り、そしてティーザー画像が示すとおりGLBのエレクトリック版ということになりますが、EQAがGLA(ただし先代)をベースとしているのと同様、EQBもGLBをベースとしているのかもしれません。

つまり、ピュアエレクトリックモデル専用のプラットフォームではなく、既存プラットフォームを使用するということですが、これによって価格を抑え、市場制圧を目論むのでは、ということですね。
現時点では搭載されるエレクトリックパワートレイン、スペック等は不明ではあるものの、EQA同様に66.5kWhのリチウムイオンバッテリー、188馬力のシングルモーターもしくは268馬力のデュアルモーターになるものと思われ、一回の充電あたり航続可能距離は486kmあたりに落ち着くのかも。
まずは中国で先行販売され、その後に欧州そして米国へと展開されるとのことですが、中国で販売されるEQBは中国製、その他の地域向けについては欧州製になるだろう、と考えています。
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フォルクスワーゲンは「ID.4 GTX」を用意
そしてフォルクスワーゲンは「ID.4 GTX」を予告していますが、こちらはどうやら中国向けでは無いようで(発表が上海モーターショー終了後の4月28日に設定されている)、フォルクスワーゲンによれば単なる移動手段ではなく、「GTという文字は、長い間、我々にとってドライビングプレジャーを意味しており、そして今、Xは未来のモビリティへの架け橋となっている。サステイナビリティとスポーティさは相反するものではなく、知的に補完するものである」とコメント。※今後、ID各モデルのスポーツグレードにはGTXという3文字が与えられるらしい
こういった点からしても、スポーツ性をあまり重視しない中国とはミスマッチであり中国以外の市場向けだと考えるのが妥当で、しかしフォルクスワーゲンが中国でなんらかのワールドプレミアを行わないということは考えにくく、よって別のニューモデルを用意しているのだろうと考えています。
