【動画】英国にて「M3に改造された3シリーズ」が警察によって粉砕される。M3化に際しては2台のM3、ほか2台以上のBMWの盗難パーツやエンジンが組み込まれていた模様

｜　しかも存在しないはずのM3ワゴン（ツーリング）を再現、カスタム技術もかなりのレベル　｜

警察は「この車両は安全ではない」と判断しスクラップを決定

さて、英国にて、警察の手によりBMW M3がスクラップにされるという案件が発生。

これまでにも東南アジアなどで「脱税」に伴い押収されたスーパーカーたちが国家権力によって破壊されている様子が報じられていますが、英国にてこういった「意図的なスクラップ」が実行される例は非常に珍しいように思います。

このBMW M3はなにかがおかしかった

このM3について、アップルグリーンにペイントされた非常に美しい個体ということが一見してわかります。

ただ、リアから見ると「ワゴン」。

BMWは現行世代のM3にワゴンを設定する計画を持っているものの、先代F80世代では「M3ツーリング（ワゴン）」は存在しないわけですね。

そして現地警察が「何かがおかしい」と気づいて調べてみると、このM3ツーリングのナンバープレートは「ディーゼルエンジンを積んだ3シリーズ」として登録されており、ますまず疑惑が高まるばかり。

更に調査を進めると、エンジンはディーゼルではなくM3のガソリンエンジンに変更されており、細部まで調べたところ、なんと2台のM3を含む合計4台のBMWのパーツがこのクルマに使用されていることが判明しています。

このBMWM3は盗難車のパーツを組み合わせて作った「M3もどき」だった

そしてそのパーツの出どころを探ってみると「盗難された車両のパーツ」が使用されていることがわかり、わかっている範囲でも2台のM3がこれに含まれ、1台目のM3は2018年3月30日にサットン・コールドフィールドで盗まれた車両、そして2台目は2019年9月30日にウォルバーハンプトンのオール・セインツにある自動車販売店から盗まれた車両。

このほか、「最低でも」2台のBMWのパーツが使用されているといい、車体自体も「安全性を担保できない方法で」改造されているため事故の際には乗員の命を守ることを約束できず、安全上の理由にてこのM3の走行を許可することができないため、警察としては「スクラップにするしか無い」という判断に至ったようですね。

そこでまずタイヤとホイールが外され・・・。

クレーンにて粉砕炉に突っ込まれて出てきたのが「かつてBMW M3であった物体」。

とにかくもったいないとは思うものの、安全に走行できないのであれば「仕方ない」のかも。

なお、内外装ともに非常に美しくカスタムされており、相当に経験のあるショップによって改造されたことは間違いないと思いますが、ショップやこのM3ツーリングのオーナーが「盗難パーツ」であることを知ってカスタムしたのかどうかは不明。

ただ、もしそれを承知のうえでカスタムしたのだとしたら、そしてさらに「格安でカスタムするために」M3やほかBMWを盗んだのだとしたら、それは許されることではないと思います。

そのあたりの事情については明かされていないものの、現地警察よれば、「このBMWを改造した者たちは、その痕跡を隠そうとかなり巧妙な手段を用いていました。しかし我々にも専門の車両検査官がおり、いかに偽装しようとも、それを見破ることができる技術を持っています」ともコメント。

おそらくは、倒産されたBMWたちは分解されて「バラ売り」されたのだと思われ、よってまだまだ見つかっていない「盗難パーツを組み込んだBMW」がたくさん路上を走っているのかもしれませんね。

盗難パーツで組み上げられたBMW M3を粉砕する動画はこちら

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参照：West Midlands Police