おなじみCGアーティスト、Rain Prisk氏が新しい作品、「2017 ポルシェ968」を発表。
文字通り「968の2017年モデルが存在したら」ということですが、ポルシェ718ボクスター/ケイマンのフロント、パナメーラのサイド、918スパイダーのホイール等を組み合わせたものとなっています。
オリジナルの「968」は1991年に発売されたFRモデルで、3リッター4気筒(最大排気量を持つ4気筒と言われた)エンジンを搭載し240馬力を発生。
同じくFRモデル、そして当時「最も優れたFR」と称された944の後継となりますが、この968をもって水冷4気筒FRは終了しており、現在ポルシェにとって「FRスポーツ」は「欠けたパズルのピース」とも考えられますね。
なお968は先代モデルである944の人気が低迷したところへの投入であり、そのため944のイメージを強く残していた968の販売は伸びず、わずか4年で生産を終えることに(総生産台数は12,776台)。
面白いのは、販売テコ入れのために「安価なモデルを」と投入されたのが「968クラブスポーツ」で、これは現在で言う「RS」モデルに該当すると認識していますが(ただしパワーアップはない。別に968ターボRSというモデルもあった)、これは「装備を簡略化していたため」、逆に通常モデルより安価であったこと。
その内容はリアシートレス、エアコンレス、パワーウインドウレス、エアバッグレスといった感じで徹底しており、標準モデルに比べて50キロも軽量化。
ホイールが(一部ボディカラー選択の場合)ボディ同色となるのが外観上の識別点ですが、これがかなりの「モータースポーツ感」を出すこととなっており、追加されたリアスポイラーとともにこのモデルが「特別な存在」であることを知らしめています。
そういった「軽量化されたスパルタンモデル」が「標準モデルより安い」のは現在のポルシェの価格設定やヒエラルキーであれば想像できないことですが、中古市場ではやはり「標準モデル」と「クラブスポーツ」との価格逆転現象が置きており、968クラブスポーツはかなりの高値。
968の位置づけとしては「ポルシェのエントリーモデル」となりますが、1996年に「ボクスター」がその役割を引き継いだ、と考えて良いかもしれません(レイアウトは全く異なりますが)。