先日そのプロトタイプが目撃された、ポルシェ911GT3「ツーリングパッケージ=Touring Package(TP)」が公開に。
911GT3をソフトにしたモデルということになりますが、911をハードにした911GT3をまた(見た目のみ)ソフトに戻す、というちょっと不思議なモデルですね。
最も大きな特徴は「ウイングレス」で、しかしさすがにダウンフォースを確保するために小ぶりのリップスポイラーが追加。
なお「ツーリングパッケージ」は1973年のカレラRS(通称ナナサンカレラ)に設定された「ツーリング」に由来している、とのこと。※ナナサンカレラは「ツーリング」「スポーツ」「レーシング」と3つのパッケージが用意されていた
外観においては「ややレトロ」な仕様となっており、ウインドウ周りのモール、ヘッドライトウォッシャー、テールパイプ、リアの「PORSCHE」ロゴはシルバー(クローム?)仕上げ。
※”ブラック・エクステリア・ツーリング・パッケージ”でこれらはブラックへ変更可能
テールランプ、ヘッドライトは「ダーク」仕様となっています。
エンジンは4リッターで出力は500馬力、興味深いのは「トランスミッションはマニュアルのみ」。
パフォーマンスについては0-100キロ加速3.9秒、最高速度は316キロ。
なお現行911GT3はやはり4リッター500馬力、0-100キロ加速はマニュアル・トランスミッションで3.9秒(PDKは3.4秒)、最高速度は時速320キロ(PDKは318キロ)。
少し気になるのはウイングがなくなることでダウンフォースが減るはずなのに最高速度が「伸びていないこと」。
例えば先日発表された「ロータス・エヴォーラGT430スポーツ」は、ベースとなる「エヴォーラGT430」のリアウイングを取り去ることでダウンフォースが減少し、最高速度は時速305キロから315キロに。
こういった例を見るに今回のポルシェ911GT3ツーリングパッケージの最高速度が伸びていないのはちょっと不思議ではありますね(ギア比をクロスさせているのかもしれない)。
価格は通常の911GT3と同様と言われ、オプションはフロントリフティングシステム、スポーツクロノパッケージ、カーボンセラミックブレーキ等も選択可能。
なおリアスポイラーは911カレラシリーズ同様に「昇降式」となっており、911カレラのカスタムとしてこのパーツ流用が人気化するかもしれませんね。
インテリアにおいて変更点は多くなく、アルカンターラの使用面積が増加した程度。
ステアリングホイール、シフトノブ、ドアパネル、センターコンソール下部などがアルカンターラ張りとなっています。
シートのセンター部分はブラックのファブリックで、これはフォルクスワーゲン・アウディグループ内で「非レザー」の使用が拡大しているということも影響しているのかもしれませんね。
ヘッドレストにはポルシェクレストが設けられ、インテリアの一部は「ブラックアルミニウム(ブラシフィニッシュのように見える)」仕上げですが、この「ブラックアルミ」は新しく、今後オプションなどで採用が拡大しそうです。
ポルシェ911GT3のウイングレスモデル「ツーリングパック」目撃。登場によって911Rの相場は下がる?