| もう上がらない?ポルシェ911Rの相場が大きく下落 |
ポルシェ911Rは近代ポルシェにおいて「もっとも価格が高騰した」モデルで、一時はその取引価格が1億円を突破。
しかし今回RMサザビーズにて出品された911Rの落札価格は3200万円にとどまっており、「911Rバブル」も収束を迎えつつある模様。
ポルシェ911Rは2014年に発表された911の「シンプルでピュア」なモデル。
当時、911GT3や911GT3RSといったハイパフォーマンスモデルのトランスミッションが「PDKのみ」となってしまい、それに対して旧来の911ファンがマニュアル・トランスミッションを熱望したため、ポルシェが用意した「回答」とも言えるクルマでもあります。
ポルシェの転売対策が奏功か
911Rの限定数は991台となり、加えてポルシェはこの911Rの販売を極秘裏に進めていたようで、登場のウワサが流れた頃には「すでに完売」。
アメリカでの新車価格は2000万円ほどであったものの、一瞬で「億」というプライスをつける人気モデルに。
ただ、この「価格の高騰」については「本当に欲しい人が競った結果」ではなく、「これは儲かる」と踏んだ転売目的での購入がほとんどであったと言われ、ポルシェはこの対応に苦慮。
その後マニュアル・トランスミッション需要に対応すべくフェイスリフトされた911GT3/911GT3RSではマニュアル・トランスミッションを追加していますが、911GT3のフェイスリフトにあわせて「911GT3ツーリング」なるグレードも投入しています。
この911GT3ツーリングは、「限定ではない911R」と言ってよく、ただし各部がフェイスリフト後の「991.2」仕様に。
性能としては911Rよりも優れるということになり、本当に「MTでシンプルな911に乗りたい」人はこのモデルに流れたと見られ、その後911Rの市場価格は徐々に下落し、1億円から一気に7000万円、そして5000万円、さらに今回の3200万円へ。
それでも新車価格の1.5倍を超える価格となっていますが、この価格を出すのであれば新車の911 GT3/911 GT3RS/911 GT3ツーリングを購入したほうがよく、「限定」にこだわらない人はそれらを選びそう(ぼくもそうする)。
よって、今後はもう少し911Rの価格が下がるのではないか、とも考えています。
なお、相場が上がる理由としては「人々が(相場が)上がる」と信じているからで、これはビットコインと一緒。
しかし「もう上がらない」と人々が感じ始めた時がバブルの終演となり、そうなると「下落に歯止めが効かない」ということに(ただし911Rは絶対的な価値があるので、一定のところで下げ止まる)。
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