| まさかのポルシェ917が公道走行可能な仕様へコンバート |
アマチュアレーサー、クラウディオ・ロッダーロさんがなんとポルシェ917を公道仕様へとコンバート。
ポルシェ917はポルシェのモータースポーツ史上「もっとも成功した」レーシングカーのひとつで、さまざまなバリエーションが存在。
とくに「917K」は映画「栄光のルマン」にも登場し、その個体そのものがオークションにも登場しています。
なお、オークションでは10億円前後で落札されることが多いことでも知られ、つまりは「とんでもなく価値が高いクルマ」。
世界にたった一台の公道仕様
マルティーニはモータースポーツのスポンサーとしても有名で、ポルシェ917や936のメインスポンサーとしても知られます。
今回のポルシェ917の物語は1974年にマルティニ創業者一族の一人がポルシェ917を買い上げたことに始まりますが、その際に公道を走行させることができるようにマフラーの装着などいくつかの改造を実施。
その結果、欧州において登録が可能となり、晴れて公道を走行できるようになったのが「公道仕様ポルシェ917」のルーツ。
その後2016年にこのポルシェ917を手に入れたクラウディオ・ロッダーロさんですが、法規等が変更されて入手時は「公道走行不可」無状態へと逆戻り。
その後何とか公道仕様へのコンバートを試みますが、その道のりは消して平坦ではなく、書類申請だけで約二カ月を要したり、とかなり苦労を重ねた模様。
↓ガソリン給油口も当然改造が必要
現在は見ての通り「公道走行可能」となっていますが、基本的な仕様は当時と変わらず、エンジンは4.9リッター空冷12気筒(600馬力)、トランスミッションは4速AT、車体重量は600キロ。
つまりパワーウエイトレシオは「1:1」ということになり、もしかするとこの個体が「(ケーニグセグOne:1ではなく)ロードカー初のパワーウエイトレシオ1:1のクルマ」であった可能性も。
なおボディサイズは全長4120ミリ、全幅1980ミリ、全高940ミリ。
長さはアウディTTくらい、幅はランボルギーニ・アヴェンタドールくらい、高さはランボルギーニ・ウラカンより12センチ低い、といったところです。
こんな感じでバーもまったく意味を成さない状態に。
なお、このポルシェ917はポルシェが「スペア」として当時用意していたもので、現実的には(幸いなことに)当時レースで使用されたことはなく、よってレースによる蓄積疲労やダメージが無い個体であった、とのこと。
ただし2004年にはガンナー・レーシングがこれを2004年のレンシュポルト・リユニオンで走らせたほか、2016年にこれを手に入れたクラウディオ・ロッダーロさんはこのポルシェ917をモンツァ・サーキットや、ニュルブルクリンクで開催される旧車限定のレースで走らせているようですね。
この人がたぶんロッダーロさん本人。
彼女さんもしくは夫人と一緒にお出かけの図ですが、相当に車内は狭そう。
この車を公道で使用するには法規の関係、そして視認性や操作性など様々な問題がありそうですが、なによりも「10億円」という価格が一番のネックだと思われます。