| ポルシェによる自社レストモッド、「プロジェクト・ゴールド」がついに競売にかけられる |
ポルシェがかねてより進めていた「プロジェクト・ゴールド」。
これは空冷世代の993型911ターボを現代の技術でレストアするというもので、制作するのは1台のみ。
ポルシェの70周年記念式典の一環として完成後はオークションにかけられることとなっており、そしてこの993ターボは「新車」扱いになるということから熾烈な争奪戦となることが予想されていたわけですね。
そして今回オークションが無事終了し、その落札価格はなんと邦貨換算で3億4000万円だと報じられています。
入札したのは37人、その時間は10分間
競売に要した時間は10分で、その間の入札は37件。
3億4000万円というと918スパイダー(新車)3台分、911GT2RSが10台分という価格ですが、将来的な値上がり、そして現時点での希少性を鑑みると「意外と安かったな」とも考えています。
なお、落札代金は「フェリー・ポルシェ基金」へと寄付され、教育や研究、スポーツ、文化といった分野に役立てられる、とのこと。
993世代の911ターボは1998年に生産を終了していますが、「空冷世代最後のターボ」として今なお非常に高い人気を誇ります。
そしてポルシェは最近、最新世代の997ターボについて「911ターボ・エクスクルーシブ」シリーズを発売。
これは911史上もっとも高価なモデルではありますが、その仕上げの美しさは比類なく、現在におけるポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥア(ポルシェのカスタム部門)の技術力の結集ともいえるもの。
そして今回の「911プロジェクト・ゴールド」は993世代の911を、最新世代の997世代の911に採用される技術を用いて「再生産」したということになりますが、この完成までに要したのは約1年。
3.6リッターエンジンは当時に比べて42馬力アップの450馬力となり、これはサイズの大きなターボチャージャー装着と追加オイルクーラー、そしてEUC変更によって達成。
そのほかの部分、たとえばサスペンションの形状やボディ構造、トランスミッション、ライティングについての変更はなく、しかし「ゴールデン・イエロー・メタリックのペイント」はじめレーザー加工を用いたマーキング、グロスブラックのアクセントやエンブレムなど「当時にはなかった」仕様も”プロジェクト・ゴールドにしか用いられていない”もの。
なお、この「プロジェクト・ゴールド」は基本的に当時のままを再現しており、よって空冷エンジン本体の発するサウンド、そして排気音、排ガス等について「現代の基準を満たさない」とされ、従って多くの国では「登録不可能」。
ただしこのクルマを登録して実際に乗ろうと考えることはまずないと思われ、これは大きな問題ではない、と思われます。
VIA:PORSCHE