| ポルシェがここまでレトロ戦略に本腰を入れるとは |

ポルシェは先日発表した「911スピードスター」に、昔風のルックスを与える「ヘリテージ・デザイン・パッケージ」を設定しています。
これを選択するとボディカラーが「シルバーとホワイト」そしてグラフィックは「917ヴァイザッハ」風に、そしてインテリアは「ブラックとコニャック」というシックなカラーに。
これに限らず、ポルシェは「935」をリバイバルしたり、「917コンセプト」、はては驚愕の「981ベルクスパイダー」も発表。
ここへ来てポルシェは一気に「過去のヘリテージを活用」する戦略に打って出たということになりますが、これは「ポルシェ・ヘリテージ・デザイン・ストラテジー」と呼ばれるもの。
ポルシェはル・マン24時間レースで「もっとも多くの勝利を記録した」メーカーでもあり、その歴史はモータースポーツとともにあるといっても過言ではなく、そういった「他社にない、そして新興メーカーでは持ちえない」ヘリテージを活用することで厳しい競争を「差別化」によって勝ち抜くのだと思われます(果ては、918スパイダー後継までもがレトロなデザインになると言われる)。
「ヘリテージ」オプションは”エクスクルーシブ”扱い
そんなポルシェですが、来年に「ヘリテージ・デザイン・パッケージ」を装着した911のスペシャルモデルを発表すること、そしてそのパッケージの一部は「オプション」として新型911(992)にも採用されることを発表。

このオプションはポルシェのカスタム部門「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」、そしてポルシェのデザイン部門「スタイル・ポルシェ」によって提供されるとのことですが、ボディカラーのほか、インテリアに使用される素材(コーデュロイやチェックなど)によってヘリテージが再現されるようですね。

なお、こういったレトロな生地の「一部」は新型カイエン・クーペのオプションに取り入れられているものの、今後はさらにこれらが拡大される、ということなのだと思われます。
ちなみにポルシェは以前に、これまでに採用してきたシートの柄について「ベスト5」を公開していて、これらが取り入れられることになりそうですね。
そして今回は公表がないものの、レーシングカーである「718」というネームが与えられたケイマンそしてボクスターについては、(過去の)モータースポーツを意識したオプションが取り入れられてゆくのかもしれません。

一方で911についてはこういったチェック内装も選択できるようになるということになり、これにあわせて「ウッドトリム」を選ぶ人も増えそうですね。

こちらはコーデュロイ。
いまやアパレルでも見かけることが少なくなった「レトロ中のレトロ」な素材です。

なお、ぼく的にもっとも「復刻」してほしいのは、かつてポルシェが軽量性のみを追求して採用した「バルサ材」のシフトノブ。
これは「カレラGT」にも採用されているので、ポルシェが「資産」として認定しているのは間違いなさそうです。
