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新型ポルシェ911GT3最新スパイ動画!なぜポルシェはGT3のウイングを「スワンネック」に切り替えるのか?そのメリットとデメリットは?

2020/07/20

| ポルシェは「速く走るため」には一切の妥協を許さない |

さて、そろそろ発表が近いと思われるのが「新型ポルシェ911GT3」。

ポルシェは「911ターボ」「911GT3」という2つのフラッグシップを持ちますが、911ターボは公道最速のGTカー、GT3はサーキット最速の準レーシングカーといった印象を持っています。

そして992世代ではさらにその棲み分けが明確になってゆくのか、911ターボは「911カレラ系」にも通じるフロントバンパー、新型911GT3では(スパイフォトを見る限りだと)レーシングカーである911RSRと近いフロントバンパーが与えられる模様。

従来型911GT3と大きく変わるのはリアウイング

ここ最近、ポルシェは「新型911GT3」だと思われるプロトタイプを頻繁にニュルブルクリンクにて走行させており、今回もやはりニュルブルクリンクを爆音とともに走行する姿が捉えられていて、見る度に偽装が薄くなっているようにも思えますね。

リアウイング周りのカモフラージュについては、つい最近になって大掛かりな偽装パネルが外されたところでもあり、おそらくはこの形状にて発売されることになりそうです。

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そして、従来型911GT3との相違が大きいのもこのリアウイングで、これまでのGT3は「ステーの”上”に羽根が乗ったウイング」を採用しています。

しかし新型911GT3のリアウイングを見ると、「ステーの下からウイングを吊り下げる」、いわゆる”スワンネック型”ウイングを持っていることがわかります(スワン=白鳥の首のように見えるステー形状を持つことから命名されている)。

スワンネックは何が優れるのか

このスワンネック型リアウイングについて、欧州プロトタイプ選手権がその「発生源」だとする説が有力であり、発生した理由としては「ウイングのサイズが規制され、その中(より小さなウイングでも)で最大限のエアロダイナミクス効果を発揮するために考案された」からなのだそう。

よって、F1やそのほか上位クラスの「比較的規制がゆるい、もしくは市販車からの改造範囲が大きく許可されている」カテゴリではこのスワンネックを採用する必要はなく、しかし「市販車からの改造範囲や、車両レギュレーションが厳しい」カテゴリでは抜け道的にこれが採用されている、と考えることができそうです。

そして市販車においては「世界各国の法規をクリアしながらも、最大のダウンフォースを得る」ためにこれを採用するのだと推測でき、市販車でこのウイングを採用するのは「ダウンフォース800キロ」のマクラーレン・セナが有名ですね。※多くの国では、リアウイングが車体の全高、全幅、全長からはみ出すことが許されない

そして「スワンネック」が優れるのは、規制を回避しつつもウイングを大きくできるという点のほかに「ウイング下部の整流効果」というメリットがある、とされています。

どういうことかというと、ステーの上にウイングを乗せた場合、ウイングの下を流れるエアが(下の)ステーに邪魔され乱れることでダウンフォースを得にくくなり(そのためにウイングの角度を立てると抵抗が大きくなって最高速が伸びない)、しかしスワンネックのように吊り下げ式として”ウイングの下になにもない”状況を作ってやれば、(リアウイングをさほど立てずとも)ダウンフォースを最大化しながら抵抗を減らすことができ、結果として最高速も伸ばせる、ということですね。

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なお、ウイングを立てれば立てるほどダウンフォースを大きくすることが可能ではあるものの、そうなると空気抵抗が増してしまうので(板を立てて走っているようなもの)、各メーカー/チームはあの手この手で「抵抗を少なくしながらダウンフォースを最大化する」ための手法を模索しており、911GT2RS MRに採用されている「リアホイールカバー」も、実は車体上方へとエアを送り、リアウイング下に風を当てることで「ウイングをさほど立てない状態でも」ダウンフォースを稼げるように配慮したものだということが明かされています。

【動画】ポルシェ911GT2RS"MR"に装着されるホイールカバーは何のため?実はリフト低減とダウンフォース増加のためだった!

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ただ、様々なメリットのあるスワンネックウイングも「いいところだらけ」ではなく、そのデメリットは「コストが高い」ということ。

ステーの上にウイングを載せるタイプだと、ウイングが下に押さえつけられることになるためにその保持方法については「特段の補強コストが掛からない」ものの、スワンネックの場合だと、吊り下げたウイングが下に引っ張られることになり、しかし下には”支え”がないために吊り下げ部については高い強度が要求され、そこにに大きなコストがかかります。

しかしながら、新型ポルシェ911GT3において、ポルシェは「コストがかかろうとも、効果を最大限に発揮でき、最高速も伸ばせる」スワンネック式リアウイングを採用してくるということになり、ここにポルシェの本気を垣間見た、という印象です。

参照:cvdzijden - Supercar Videos

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