| このポルシェ935 JLP-2は数々の名ドライバーが運転してきた |
1980年のル・マン24時間レースにて、「クラス2位、総合9位」という輝かしい成績でフィニッシュしたポルシェ935 JLP-2が、RMサザビーズのプライベートセールに登場。
その価格は210万ドル(約2億9000万円)と安くはありませんが、ポルシェのモータースポーツの歴史の一部を共有できるのであれば高い買い物ではないのかもしれません。
ポルシェ935 JLP-2のベースはポルシェ911カレラRSR
このポルシェ935 JLP-2のベースはカレラRSR(930ターボベースもほうが有名かも)で、デビユーイヤーは1976年(グループ5にて)。
ブライアン・レッドマン、ジョン・ポール/ジョン・ポール・ジュニアといった著名ドライバーが搭乗した経歴を持っている、と紹介されています。
シャシーナンバーは00900043、1994年から1995年にかけてレストアが行われており、見るからに程度は上々。
935には相当数の(出場するレースごとに)バリエーションが存在しますが、いずれも「ローノーズ」が特徴。
ただしリアウイングやテール形状は”ぞれぞれ”異なるようで、この935 JLP-2には幅の狭い、独特なリアウイングが装着されています。
ただしリアフェンダー端にもフラップが設けられ、ダウンフォースに対しては万全の配慮がなされているようですね。
フロントフェンダーももちろんワイド。
上部は「(直進安定性を向上させるため?)フィン」形状を持っています。
ポルシェ935 JLP-2のインテリアはこうなっている
こちらはポルシェ935 JLP-2のインテリア。
強固なロールケージがガッチリ組まれます。
ステアリングホイールはディープコーン。
とにかくあちこちを軽くしようというポルシェの意図が伝わってくる「仕事場」ですね。
現代のレーシングカーとは異なり相当に過酷な環境であったこともわかりますが、これで(ドライバーが交代するとはいえど)24時間を走り切るのはまさに苦行と言えるかもしれません。
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シフトレバーは新たに設置されたフレームにてガッチリ組まれます。
ポルシェ935 JLP-2のエンジンはこうなっている
こちらはこのポルシェ935 JLP-2のエンジン。
ファンのケーシングには薄い(光が透けて見えるほどの)グラスファイバーが用いられ、やはり軽量化に力を入れているということがわかります(ポルシェはレース用車両につき、ボルト一本に至るまで軽量化したという)。
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RMサザビーズによる、ポルシェ935JLP-2の動画はこちら
参照:RM Sotheby's