| 「もう一台」のルーフR12Rは1億2000万円で落札されたことがある |
近年、ポルシェのレストモッド人気とともにルーフ再評価の機運も高まっている
さて、RUF(ルーフ)はポルシェから供給を受けたボディシェルやコンポーネント、パーツを利用して高品質なクルマを製造することで知られますが、ルーフを有名にしたのは1987年の初代CTR、通称「イエローバード」。※ルーフはポルシェの”チューン”も行うが、基本的にはポルシェのパーツを使用して自社のクルマを製造する自動車メーカーとして活動している
しかし今回は「比較的」新しめの製品である2015年製「RT12 R」がメカム・オークションの主催する競売へと登場するとアナウンスされており、このRUF RT12 Rは13台のみが生産され、そのうちの2台のみが(今回出品される個体を含め)後輪駆動レイアウトを持っているそうで、つまりはとんでもなく希少なモデルということになりますね。
ベースモデルは997世代のポルシェ911
見ての通りベースとなるのは997世代のポルシェ911であり、搭載されるエンジンは3.8リッター・フラットシックス・ツインターボ。
これは911ターボに搭載されていたエンジンではあるものの、ルーフではもともとのVTGシステム(可変タービンブレード)を取り除き、代わりにKKK製のツインターボ、鋳造合金製のインテーク、チタン製コンロッド、マーレ製ピストン、専用カムシャフトを採用しています。
ブーストをわずか1.3barに設定して730馬力と693lb-ftのトルクを発生し、シングルマスフライホイールと6速MTを介してルーフRT12 Rの0-100km/h加速は3.3秒(この数字には、複数の自動車ジャーナリストが異論を唱えている)、最高速度はなんと370km/hという驚異的な数値を誇ります。
ルーフは未組立の状態でポルシェからボディやパーツを受け取るものの、組み立てに際しては不要なものを排除し、また必要なものを付与し、さらには必要に応じて加工を行うことで知られており(かつては空気抵抗削減のために雨樋まで削っていた)、もちろんプラットフォームそのものも補強され、これに対して特別にチューニングされたコイルオーバーサスペンションを専用のジオメトリーとともに組み込むことによって驚異的な運動性能を実現しているわけですね。
ホイールはセンターロック(角度がついている画像を見ると、かなりスポークが薄く軽量化がなされていることがわかる)、タイヤはミシュランのパイロットスポーツカップ、ブレーキシステムはイエローにペイントされたキャリパーを持つカーボンセラミック。
外観を見てみると、ルーフらしく「ツルっとした」フロントバンパー、空力に配慮した小ぶりなドアミラー(カーボン製)、そしてリアフェンダー上のエアインテークといった特徴が見られます。
リアスポイラーは997世代の9111GT3 RSからの流用なのだそう。
フロントにもGT3系に採用されていたエアアウトレット(エンブレムはルーフ独自のものへと置き換えられ、このクルマがポルシェではなくルーフであることを主張している)。
このRUF R12 Rのインテリアはこうなっている
そしてこちらはこのRUF R12 Rのインテリア。
基本的にはポルシェ911ターボの構造に準じており、しかしドアパネルは軽量化のために内張りの形状が変更され、さらにシートはレーシングタイプへ。
シート中央はドイツっぽいグリーンのチェック(なぜかドイツではグリーンが好まれるようだ)。
メーターの文字盤も張り替えられており、スケールはグリーンへ。
シフトノブ、ステアリングホイールもルーフ専用品が用いられていますね。
なお、この個体はもともと2022年4月に出品されるはずであったものの、何らかの事情にてそれが延期され、ようやく今回の出品となっていますが、その空白期間にはピーターセン自動車博物館に展示されていた、とも紹介されています。
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