| VWとアウディはドリフトに対して否定的 |

フォルクスワーゲン・ゴルフRは、ぼくの考える「最強」のクルマの一台。
その理由としては「パワーがあり、扱いやすく、トルクベクタリング4WDを持ち、人やモノが乗る」から。
そんなフォルクスワーゲン・ゴルフRですが、ゴルフ8の登場にあわせて新型へと切り替わる次期を迎えています。
ヨソはヨソ、ウチはウチ
そしてVWのハイパフォーマンスカー部門を管理するヨースト・カピート氏によれば「次期フォルクスワーゲン・ゴルフRは”ドリフトモード””4輪操舵”を装備しない、とのこと。
ゴルフRは「ゴルフファミリーにおけるフラッグシップ」で、GTIとの違いは「エンジン出力と駆動方式」。
ゴルフGTIはFFですが、ゴルフRは4WDかつハイパワーである、ということですね。
なお、ドリフトモードを装備するゴルフRのライバルは「フォーカスRS」、後輪ステアリングを有するゴルフRのライバルは「メガーヌRS」。
つまりフォルクスワーゲンは、次期ゴルフRについて「フォーカスRSとも、メガーヌRSとも違う」ということを主張しているのだと思われますが、ドリフトモードについて、「フォーカスRSは、あらゆる面でドライビングの楽しさを広げた。ドリフトモードは特にそうだと言える。しかし、そのやり方は彼らの方法であって、我々のものではない」。
一方でBMW、メルセデスAMGはドリフトモードに対して積極的な姿勢を示し、ここはメーカー間で対応の分かれるところ。
なお、フォルクスワーゲングループに属するアウディも「ドリフトモードを採用する気はない」と語っており、その理由としては「一つのクルマに、4WDとFRという複数の駆動方式が存在するのは好ましくない」、というものです。
フォーカスはもともとFFですが、これを4WD化し、かつドリフト時にはFRに切り替えることになるかと思われ、そうなるともう「もともとの設計思想はどこに行ったの」的状態。
ただしオーナーからすると「一粒で二度おいしい」的な楽しみ方ができ、ドリフトモードは歓迎すべきデバイスとも言えそう。

しかしながらフォルクスワーゲンはこれを採用しないということになり、別の方法で「ドライビングプレジャーを最大化する」方法を考えているのかもしれません。
そして「4輪操舵」については、「ゴルフRのサイズであれば必要ない」とバッサリ。
フォルクスワーゲングループのクルマだと、ランボルギーニ(アヴェンタドール、ウラカンEVO、ウルス)やポルシェ(新型911)がこれを採用していますが、VWは「重量やコストが増える割には、得られるメリットが少ない」と判断したのかもしれません。
今のところ新型ゴルフRの詳細はわからず、しかし上述のヨースト・カピート氏によれば「現行ゴルフRよりもパワフルになるだろう」。
BMW M135i、メルセデスAMG A35、アウディS3あたりが軒並み300馬力を超えてきていることを考えると、おそらく新型ゴルフRは300馬力を超えることになり、もしかするとハードコアバージョンとして、待望の「ゴルフR400」も登場するかという期待も抱いています。