| フェラーリはエントリーモデルを必要としている? |

フェラーリ「ディーノ」の登場が噂されるようになってずいぶん経ちますが、未だフェラーリ内部では「ディーノを発売すべきかどうか」について議論がなされている模様。
議論の的はもちろん「会社の排他性を維持できるかどうか」で、ディーノ(発売するとなるとおそらくV6)を発売することでフェラーリのブランドバリューを下げはしないか、ということですね。
これについては二つの側面があり、一つは「価格」。
ディーノ発売となると現行フェラーリいずれのモデルよりも「安価」になると思われ、安価なモデルを発売することでブランド価値が損なわれる、ということですね。
かつてフェラーリCEO、セルジオ・マルキオンネ氏は「ディーノは安価なモデルではない」と発言しているものの、最近では「安価なモデルはより若いユーザー獲得に役立つ」とも述べており、いざ発売となると「現行ラインナップより安価」なのは間違いなさそうです。
そしてもう一つの懸念は「台数」で、ディーノを発売することでフェラーリの販売台数も大きく伸びることになると思われますが、それがまた「希少性」を損ねることになる可能性も。
なお「ディーノ」はエンツォ・フェラーリ氏の(若くして亡くなった)息子、アルフレッド氏の愛称であることは有名ですが、当時発売された「ディーノ」には「フェラーリのエンブレム」はなく、V12エンジンに固執していたエンツォ氏は「フェラーリブランドからディーノを発売することでフェラーリの価値を損なう」ことを当時既に懸念しており、そこで「ディーノ」にはフェラーリのブランド名を冠さずに「サブブランド」としての発売→展開を考えていたようですね。
そういった経緯を見るにエンツォ氏は「ブランディング」という言葉がなかった時代からこういったことを考えていて、本能的に「差別化」ということを理解していたと思われます。
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フェラーリ・ディーノは2018ー2019年に登場か。価格は2500万円くらいから

フェラーリ・ディーノの登場は確定的ですが、気になるのはその登場時期。
おそらくは2018ー2019年あたりになるのではとされています。
位置付けとしてはエントリーモデルになるようですが、マルキオンネ氏いわく「廉価版ではない」とのことで、価格は2500万円あたりになる模様。
488GTBよりも小さく軽くなるとされ、アルミを多用したプラットフォームは新設計。
スタイルはセルジオに影響を受けたものになるとされ(であればフェラーリはピニンファリーナを救済しても良かったと思う)、かつてのディーノの面影も反映されるようですね。
エンジンは2.9リットルV6つまりアルファロメオ・ジュリアQVと共通と見られますが、大きく手を入れられ、450馬力と600馬力が用意される、とも。
このユニットはエントリーレベルのカリフォルニアにも採用されると言われますが、現段階では公式コメントはなく、いずれも予想の範疇です。
どうなるフェラーリ・ディーノ?フェラーリ会長「検討中」
最近すっかり聞かなくなったフェラーリ・ディーノの話。
フェラーリの会長、セルジオ・マルキオンネ氏によると「開発は行っていないが検討中」とのことで、登場は濃厚かもしれませんね。

なおマルキオンネ氏はフェラーリの販売を伸ばしたいと考えており、フェラーリの持てる資産をフル活用してくると考えられ、であればなおのこと登場の可能時が高いと言えそうです。
現在フェラーリは年間の生産台数が7700台程度で、マルキオンネ氏はこれを9000台に引き上げたいようですが、これは「現行ラインアップでの話」と思われ、もしディーノが登場すると一気に1万台を越えることになりそうですね。
なお以前にディーノについて語った際、、ターゲットプライスは2500万円程度としており、ちょうどランボルギーニ・ウラカンLP580-2、マクラーレン570Sあたりの価格ということになり、これもまた登場の正当性が感じられるところですね。
なお来年はフェラーリの70周年とのことですが、そこで「何か特別なもの」を用意している、とマルキオンネ氏は語っており、こちらも気になるところです。