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まさか日本で?納屋で発見された、世界に1台の特別なフェラーリ・デイトナ。1972年のカーグラ誌にも登場

2017/08/26

| コレクターの間では有名な個体だったそうだが、いつの頃からか行方知れずに |

製造わずか1,200台という希少なフェラーリ・デイトナ(365GTB/4)。
生産期間は1969-1973年で、デイトナ24時間で華麗な優勝を飾ったことからこの愛称で呼ばれている人気モデルですね(よって”デイトナ”は正式名称ではない)。
今回そのデイトナが納屋から発見されて競売に登場する、とRMサザビーズが発表しています。

ただ、このデイトナは他のデイトナとは異なる「世界で1台の特別仕様」。
何が特別かというと、「ボディがすべてアルミでできている」ということで、これはデイトナの生産通じてこの1台だけ(正確にいうとロードカーはこの一台で、レース仕様だと他に4台ある)とされています(シェルビー・コブラも当時幾つかアルミボディが存在。この時代はオーダー時にボディパネルの素材を指定することができたのかも)。

シャシーナンバーは12653、デイトナとしては「30番目」の生産で、スカリエッティによるアルミ製のボディ(ボディナンバーは32)を身にまとい、1969年6月に生産されたもの。
※「スカリエッティ」はフェラーリがボディ製作を依頼していたカロッツェリアのひとるで、とくにコンペティションモデルが得意。「612スカリエッティ」はそのカロッツェリアのオーナー、セルジオ・スカリエッティ氏に因んだもの

ヘッドライトはプレクシグラス仕様でパワーウインドウつき、ボディカラーはロッソ・キアロ、インテリアはネロ(ブラック)レザー。

これはボローニャにあるフェラーリのディーラー、Motor S.p.A di Carla Allegrettiが1969年に販売し、その後エンツォ・フェラーリの友人でもあったLuciano Conti氏(オートスポーツ誌創業者)へと同年に転売。
その後1970年にヴェローナ在住のGuido Maran氏へと売却され、一ヶ月後にレヴェンナに住むCarlo Ferruzzi氏の元へ。

その後も何度かオーナーが変わり日本にも輸入され、1972年のカーグラフィック誌にも登場(調べたところ1月号にフェラーリ365GTB/4の特集がある。日本人オーナーの名前も判明している模様)。
その後3名オーナーが変わったのちに最後のオーナーがこれを保管するに至り、この車の存在を知るコレクター達が何度か(この車を)購入しようとしたものの、いずれも失敗に終わったとしています。

その後この車が発見されて(どうやって見つかったのかはわからない)今回オークションに登場という流れになりますが、なんとこの個体は「すべてオリジナル」のコンディションを保っており、「未レストア」状態。

クラシックカーの場合は例え不動であってもレストアされていない(手が加えられていない)ほうが価格が高くなる場合もあると言いますが、このデイトナはその意味において相当な高値をつけそうです(走行距離は36,390キロ、現在の予想だと最高で2億2000万円ほど)。

今回のフェラーリ・デイトナ365GTB/4についてはかなり詳細な記録が(途中まで)残っており、しかしそれがなぜ途中で途切れたのかは全くの謎。
加えて、どういった経緯で納屋で眠りにつくことになったのか、そしてなぜ発見されたのかも明らかではなく、このあたりは非常に興味のあるところです。



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