ポルトフィーノの設計にあたってはロータスの理念を参考にした
フェラーリのエンジニアはその新型車「ポルトフィーノ」を設計する際、ロータス設立者、コリン・チャップマン氏の「よりシンプルに、そして軽量性も忘れずに」という言葉を思い浮かべながら作業を進めてきた、とのこと。
なおコリン・チャップマンはよりシンプルに、そして軽く車を作るために「ひとつのパーツにふたつ以上の機能を持たせる(それによって単純で軽く仕上げる)」ことを目指したことでも知られます。
ポルトフィーノのパーツ点数はカリフォルニアTより40%少ない
その結果、ポルトフィーノはなんとカリフォルニアTに比べると「40%パーツが少なくなった」とのこと。
一般にEVは「ガソリン車に比べて40%パーツが少ない」と言われますが、カリフォルニアTとポルトフィーノとの間にも「ガソリン車と電気自動車くらい」の差がある、ということに(たとえばAピラーだと、カリフォルニアTでは21のパーツがあったものの、ポルトフィーノではたったの2つ)。
これによって部品調達がシンプルになり、そもそも設計コストも安くなり、組み立ても容易で時間がかからず、より短い期間、より安価なコストにて「より多くの」車を生産できるとも考えられます。
なお、今回ポルトフィーノの設計過程で培った技術は、フェラーリにおいて将来投入されるほかのニューモデルにも活用されることになり、これによって生産期間が短くなる、という消費者にとってのメリットもあるかもしれませんね(ブランドの性格上、コストが下がっても値下げはない。むしろ下がったコストは運動性能向上や素材に費やし、さらに戦闘力の高い車を作ると思われる)。
フェラーリはマクラーレンやランボルギーニに比べるとシャシーに使用される素材や構造において「ややトラディショナル」な印象がありますが(電動パワステの採用も遅かった)、これでさらなる研究開発資金を調達できる可能性があり、一気に商品力が向上するかもしれない、と期待しています。