| 意外と底値が硬いフェラーリ×パネライ|

微妙に気になる、パネライ×フェラーリの腕時計、”フェラーリ・エンジニアド・バイ・オフィチーネ・パネライ(FERRARI ENGINEERED BY OFFICINE PANERAI)”。
パネライとフェラーリ共にぼくの好きなブランドであること、そしてこのコラボ時計はほかのパネライに比べると「非常に」安いことが気になる理由。
パネライはラジオミールやルミノールが有名ですが、その雰囲気を受け継いだスクエア型ケースを用いてフェラーリとのコラボ時計を展開しています。
フェラーリは以前にもジラール・ペルゴともコラボしており、自社でOEM生産を受けている腕時計のほかにこのパネライとのコラボ、その次(現在)はウブロとのパートナーシップを結んでいますね。
パネライの腕時計だと新品で80万円くらいから、中古でも価格は下がったとはいえど60万円くらいでないと程度の良いものは手に入りませんが、パネライ×フェラーリだと、中古では30万円以下でも手に入るのがちょっとした魅力(今回話題にしているのはステンレスモデル)。
フェラーリとのコラボ時計のムーブメントはパネライ自社のものではなくOPXXI(他社のムーブメントをベースにパネライが手を加えている)なのですが、これは2010年頃まではパネライに広く使用されており(現在、パネライはほぼ自社ムーブメントに切り替えている)、200万円近いパネライのモデルでもこのムーブメントを使用していたことを考えると、やはりパネライとフェラーリとのコラボモデルはかなりお得と言えますね。
※コラボモデルも定価はかなり高い。単に中古価格が安いといえる。
フェラーリとのコラボモデルは名前を置き換えただけではなくて完全にフェラーリ仕様になっているのが特徴で、文字盤始めリューズ、ケースバック、ストラップ、バックルも専用。
文字盤はカーボン調だったり、リューズはフェラーリのエアコン吹き出し口風のローレット加工があったり、という感じですね。
ただし通常目に入るところに「PANERAI」の文字はなく、ケースバックやバックル内側に「OFFICINE PANERAI」の刻印が見える程度で、パっと見た感じではフェラーリストアで売っている2−3万円の時計に見えてしまうのが痛いところ(パネライは高級に見せるのが得意なブランドではない)。
おそらくフェラーリとパネライとのコラボウォッチの人気が低いのは、その時計のイメージがフェラーリとあまり合わず(パネライは軍用時計をルーツにする)、フェラーリとパネライ双方の価値を高めていることができていない、というところにあると思います。
フェラーリにとってはパネライはその価値を引き上げてくれるパートナーではなかったと思われ(その意味では現在のウブロは最適かも)、またパネライにとってもそれは同じだったのでしょうね。
有名なブランド同士が手を組んだとしても必ず成功しない、というひとつの例でもある、と考えられます。
よってフェラーリファンにも、パネライファンにも歓迎されなかったのかもしれません。
逆に潜水会社Comexとロレックス・サブマリーナとのコラボは、その性格が一致することから双方の価値を引き上げている例なのでしょうね。
なお、Comexの場合は一般に販売されていないということも価値を高めている理由と思われます。
そしてこの「フェラーリ・エンジニアド・バイ・オフィチーネ・パネライ(FERRARI ENGINEERED BY OFFICINE PANERAI)」ですが、日本へ入ってきたのは比較的円安の時期であり、並行物が安かった時代に皆買取に出していたと思われるので時計店の仕入れ価格も安く、従って中古の販売価格も安い、というのも現行パネライに対して不当に安い理由かと思います。
その間に消費税増税や円安による値上げがあり、一層パネライのラインナップと価格差が開いている、ということですね。
これからこの時計の価格および価値が上がることはないと考えられますが、逆に下がることもなさそうだということを考えると、そしてこの価格でパネライの腕時計を手にすることができると考えると、非常にお得な腕時計ではないか、と考えています。
ひとつ大きな問題はぼくはフェラーリを持っていないということで、そこが最大のミスマッチでもありますね。