| フェラーリ会長「SUVはフェラーリのイメージを壊しかねないと考えていた」 |
フェラーリ会長、セルジオ・マルキオンネ氏が「かつてはSUV投入によってフェラーリの価値が希薄になるのでは」と悩んでいたことをメディアに激白。
たしかに同氏は2016年に「フェラーリからSUVを発売するなどと言い出したら、自分を撃ってくれてもいい」と発言してSUVに対しては否定的な見解を示しています。
ですがその舌の根も乾かないうちに「ドアが4枚に見えなければ4ドアではない」「フェラーリのそれはFUV(フェラーリ・ユーティリティービークル)であってSUVではない」というとんち合戦を繰り広げてSUV発売を正当化してしまったというのが今の現状。
まだまだその内容は不明ではあるものの、2018年中には「フェラーリ製SUVが」登場するのでは、と言われていますね。
現在では「一刻も早く発売を」
ちなみに発売スケジュールについては当初「2021年」と言われたものが徐々に前倒しされ、「2018年に」というのが現在の状況。
これにはランボルギーニ「ウルス」の発売が影響していると思われ、というのもウルスの生産が本格化すれば販売台数においてフェラーリはランボルギーニに抜かれる可能性があるため。
しかしながらフェラーリはその生産台数をいたずらに増やすことはできず、しかし「SUVであれば」生産台数を増やす免罪符になると考えているのかもしれません。
同様にランボルギーニも「希少性を保つためスーパースポーツは今の状態から販売台数を大きく増やさない」としており、かわりにウルスを大量に生産して会社全体の利益を押し上げる予定。
さらに中国市場の高いポテンシャルをフェラーリ、ランボルギーニともに「認めている」状態ではあるものの、中国へ大量に販売すれば大量に事故を起こしたりするのでブランドイメージを引き下げることになり、両者とも中国販売を「控えている」状態だと思われます。
しかしながらSUVであれば中国に販売してもブランドイメージは傷つかないと予想していて、ランボルギーニではウルス、そしてフェラーリも”FUV"について中国を最大の販売先だと考えている模様。
SUVを発売すればブランドイメージが傷つくという見方もあるものの、「市場別」に販売や戦略を変えればブランドイメージを保護することは十分に可能なのかもしれず、これはポルシェの戦略(中国ではSUVを大量に販売し、しかしほかのマーケットではスポーツイメージを強調)も同様と言えそう。
なお、ウルスのほかロールスロイスもブランド初のSUV「カリナン」を発売しており、マセラティはすでに「レヴァンテ」を発売済みで、アルファロメオは「ステルヴィオ」、ジャガーは「F-PACE」「E-PACE」を投入済み。
これらによってブランドイメージが毀損されたというとそうではなく、ここは「案ずるよりも産むが易し」なのかもしれません。
なおアストンマーチンは近々にでもブランド初のSUV「DBX(ヴァレカイ)」を発売する意向ですが、マクラーレンは「SUVは絶対にない」。
ただ、今後「マクラーレン以外」がSUVを売りまくったときにマクラーレンがどうするのかは気になるところですね。