| 発表された条件だと実現は難しそう? |
FIAが先日アナウンスしていた、2020年以降に新設されるであろう、トップカテゴリであるLMP1に変わる「GTP(仮)」クラスについて追加情報を公開。
詳細の決定は11月になるとしながらもGTPクラスはハイパーカー、スーパーカー、高級GTコンセプトカーに参戦が可能だとしており、そのクルマは「効率的なエアロダイナミクスが優先されなくてはならない」とのこと。
加えてコストカット(LMP1の1/4)も大きな課題であり、ホモロゲーション取得時にはそのコストも重要視される、と述べています。
マクラーレン、フェラーリは対象外?
このカテゴリが実際に導入されるとなるとかなりな盛り上がりを見せることになりそうですが、あまりに各メーカーの発売しているハイパーカーの基準が異なり、性能差も大きくなりそう。
たとえばアストンマーティン・ヴァルキリーは「F1を超える」ことを標榜してイチから設計されているものの、マクラーレンP1はその基本設計があくまでも乗用車。
ポルシェ918スパイダーはレーシングカーを基礎としながらも3モーターを採用するハイブリッドカーで、ラ・フェラーリはKERSを採用し、メルセデスAMGプロジェクト・ワンはラ・フェラーリの半分以下の排気量となる1.6リッターエンジンを搭載。
そのほか各車ともトランスミッションや駆動方式も大きく異なり、これらに対し「競争可能な」公平性を持たせるというのはかなり難しいかもしれません。
そして公平性を重視するとレギュレーション適応のための「改造コスト」がかさんでメーカーにとって負担となり、逆に公平性を保つことができなければ「最初から勝負にならない」として参戦を見送るメーカーが出てくる可能性も(評判を落とすだけなので、負けが見える勝負には出てこない)。
さらにFIAは参戦するメーカーに安心感を与えるため「5年は継続される」こと、KERSを備えフロントホイールを駆動すること、制限された燃料でル・マンを3分20秒で走行することなども検討中。
さらにこのKESは「ひとつのみ」で、市販車に搭載されておおよその価格が判明している必要があるとも定義しており、正直この条件に当てはまるクルマがあるかどうかは疑問ではあります(たぶんメルセデスAMG プロジェクト・ワンしか該当しない)。