| フェラーリ458スペチアーレの売り物はめったに出てこない |

2014年に販売されたフェラーリ458スペチアーレA。
458スペチアーレA(アペルタ)は458スペチアーレのオープン版ですが、フェラーリの常として「オープンモデルを少なく作る」というものがあり、そのため限定台数はわずか499台という超レアモデル。
458スペチアーレシリーズ自体は「458イタリア/458スパイダー」のハードコアモデルという位置づけになるものの、これが特別扱いされるもう一つの理由は「フェラーリV8ミドシップ最後の自然吸気」だから。
フェラーリのV8ミドシップ「自然吸気」はもう新車で購入することはできない
つまり、これを境にフェラーリのミドシップV8モデルは488GTB/488スパイダーの「ターボ」へと移行することになりますが、そのため458スペチアーレ/458スペチアーレAは高い人気を誇ることとなっています。

なお、こういった現象は往々にして起こりうるもので、「718以降、ターボエンジンが採用された」ボクスター/ケイマンについても、その直前の”最後の自然吸気”となる981世代が高い中古相場を維持していますね。

そして今回の458スペチアーレAはもうひとつレア度が高く、それはボディカラーが「アッズーロ・カリフォルニア」と呼ばれる薄いブルーだから。

ストライプはシルバーとネイビー、ホイールはメタリックグレー(マット)に切削加工、さらに内装はタンカラーという、息を呑むほどの美しさを持っています。

加えてフロントスプリッターやサイドウイング、エンジンカバー、リアディフューザーなどにはカーボンパーツが装着され、「フルカスタム」状態。

なお、「タンカラー」のインテリアはアルカンターラで構成され、シートベルトもボディカラー同様のライトブルー。

ブレーキキャリパーは「ブラック」で、主張しすぎないところが素晴らしいと思います。

458スペチアーレ/458スペチアーレAには数多くのストライプパターン(形状)とカラーが存在しますが、いずれの個体もボディカラー含め個性的な組み合わせを持つことが特徴。

つまり「フェラーリ=レッド」というステレオタイプなボディカラーから脱することになる流れを作り、ユーザーが自由にカラーをチョイスするきっかけとなったエポックメイキングなモデルが458スペチアーレ/458スペチアーレAだと考えています。

そしてフェラーリ(ランボルギーニも)のストライプは「ステッカー」ではなく「ペイント」で再現されることになり、しかし”段差”は皆無。
このストライプの再現には相当な手間と技術が要求されることになり、よってこのオプション価格は100万円程度だと言われます。

そしてルーフまでもエレガントなアルカンターラ張り。

こういった、オーナーの満足度を向上させるプレート類が各部に見られるのもフェラーリの特徴ですね。

ダッシュボードにも「458Speciale A」のエンブレム。
エアコン吹き出し口はカーボン製です。

ピラーやサンバイザー、センタートンネルもタンカラーのアルカンターラ。
ドアインナーパネルもカーボン製。

ステアリングホイールのステッチもブルー。

シートのネイビーブルー部分は3Dスティック素材(ポリエステルメッシュのようなもの)。
これはぼくの知る範囲だと812スーパーファスト(2017)以降に広く採用されるようになったもので、この時期のフェラーリに採用されるのは非常に珍しい、と思います。
この「こだわり抜いた」フェラーリ458スペチアーレAですが、その価格はなんと9400万円ほど。
希少価値を考えると仕方ない部分もあり、そして今後「上がることはあっても」下がることはない、とも思われます。