| ちょっと相場が下がった?以前は1億円近かったような気も |
以前にも売りに出されていた、「エルトン・ジョンが所有していたフェラーリ365GTB/4デイトナ」。
これは「Goodbye Yellow Brick Road」がヒットチャートのトップとなったときにエルトン・ジョンが(1973年に)新車で購入した、”エルトン・ジョンにととって最初のフェラーリ”で、その後1975年に売却され、数名のフェラーリクラブ会員の手を経た後、今回の競売に(そのうちの一人は16年間これを保有)。
ただ、今回公開された画像を見るに、2017年にオークションにかけられた時と同じ画像が使用されているので、2017年には「落札されず」、そのまま保管した後に再度出品に至ったのかもしれません。
右ハンドルのフェラーリは「希少」
フェラーリ365GTB/4、通称「デイトナ」は1300台近くが生産され、しかしそのうちの158台のみが右ハンドル。
実際に乗ることを考えると右ハンドルで走行できる国が限られますが、こういったクラシックフェラーリは「乗るために買う」のではなく「希少な車をコレクションに加える」ために購入するのだと考えられ、となると数の少ないほうが圧倒的に「希少価値が高い」ということにもなりそうです(以前も右ハンドル+MTという相当にレアなフェラーリ599GTBが高値を記録している)。
なお、ボディカラーはコレクション価値の高いレッド(ロッソ・キアロ)、インテリアはブラックのコノリーレザー(2017年に張替え済み)。
付属品も揃っており、購入時のオーダーシート、製造記録、すべての整備記録、走行距離「82,000マイル」が正しいことを証明する書類など。
なお、エルトン・ジョンはクルマ好きで知られ、とくにフェラーリを好んだ、とも伝えられています。
この「365GTB/4デイトナ」のほか、365BBや512TR当のV12モデルを好んだようですね(ほかにもベントレー、アストンマーティン、ホンダNSXを所有していたという記録がある)。
予想落札価格については517,000ドル~578,000ドルだと見られ、つまり最高だと邦貨換算で約6160万円ほどだと見られています。
なお、こちらは「デイトナ」シート。
中央にライン、横方向に別生地、そしてホールのあるシートですが、デイトナに採用されたことから「デイトナシート」と呼ばれ、現代のフェラーリにおいてもオプション採用されるほど高い人気を誇ります。
フェラーリ365GTB/4はこんなクルマ
フェラーリ・デイトナ(365 GTB/4)は1968年に275GTB/4の後継としてパリ・サロンにて登場。
デザインはピニンファリーナ、エンジンは上述の通り4.4リッターV12(キャブレターはウェバー)、トランスアクスルレイアウトを採用するFRです。
「デイトナ」の名称は1967年のレース「デイトナ24時間」にてスポーツプロトタイプである330P4、412Pが1-3位を独占したことからメディアによって呼ばれはじめたニックネームで、フェラーリによると「非公式」な名称としながらも、その愛称を認めてはいるようですね。
フェラーリによると、365GTB/4デイトナは、「フィアットがフェラーリのロードカー生産を支配し始めた1969年より前に発売された最後のロードカー」。
アメリカ市場を重視したモデルであり、そのためのデザインを持つフェラーリ、としています(ぼくにとっては漫画「ディーノ」に登場したデイトナの印象が強い)。
なお新車当時のフェラーリ365GTB/4のスペックは下記の通り(フェラーリのオフィシャル情報による)。
全長:4425ミリ 全幅:1760ミリ 全高:1245ミリ 車重:1200キロ エンジン:4.4リッターV12 出力:352馬力 フレーム:スチール製チューブラー サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン トランスミッション:5速MT 最高速度:時速280キロ |