| モノトーン、ローダウン、ツライチと渋いカスタム |
なかなかこのクルマをカスタムする人はいないだろうと思われるフェラーリ512BB。
今回、RMサザビーズ開催のオークションに、なんとこのフェラーリ512BBのカスタムカーが登場するとのこと。
この1979年製512BBをカスタムしたのはボブ・ノルウッドという米国のチューナーで、2002年にこのクルマを手に入れた後、もともと積まれていた4.9リッターV12エンジンをテスタロッサの5リッターV12へと換装した、と紹介されています。
なお、512BB(1976〜1981)に積まれていた4.9リッターV12は360馬力ですが、その後512BBi(1981〜1984年)へとシフトして340馬力へと(当時の規制の関係?)下がってしまい、フルモデルチェンジ版となるテスタロッサ(1984〜1992年)では380馬力へと大幅パワーアップ(欧州仕様は390馬力)しています。
さすがに1100馬力は乗りづらかったようだ
ただ、ボブ・ノルウッドはこのテスタロッサのエンジンを1100馬力にまでチューンしていたといい、しかし2018年に「日常的な扱いやすさ」を理由にその後F521M(1994〜1996年)の5リッターV12エンジン(440馬力)へとスワップ済み。
ちなみにこれらV12気筒は「バンク角180度」なので見た目は水平対向12気筒と同じではあるものの、その構造(左右ピストンがクランクシャフトを共有する)はV型エンジンの特徴でもあり、V型ではないものの「V12」ということになります。
このフェラーリ512BBに装着されるホイールは288GTOをイメージしたワンオフ品。
リアはかなり幅が広く、1100馬力時代の名残なのかタイヤ幅は「330」。
サスペンション(オーリンズ製)、ブレーキもアップデートされているとのことで、車高はかなり落ちているように見えますね。
なぜかファクトリーの壁にはランボルギーニロゴ。
わざわざこの画像をオフィシャルフォトに選ばなくてもとは思うものの、これは「あえて」そううしたのかも(他の画像にも映り込んでいて、位置も計算されたかのようだから)。
フロントウインカーのレンズはホワイトに交換され(アメリカだと法規に適合しないように思える)、これがブラックのボディカラーと相まって超クール。
ここまでモノトーン調なフェラーリも珍しいと思います。
これでテールランプがクリアレンズだったらぼく的には「完璧」。
なお、エキゾーストシステムはチタン+ステンレスのワンオフ品だそう。
フロントにはフェラーリのプランシングホース(跳ね馬)。
プランシングホース自体はもともと512BBにも(この位置に)装着されていますが、これがオリジナルなのかどうかは不明です。
そしてこの位置にプランシングホースがあるのはずっと前からのフェラーリの伝統であるということもわかります(ただしSF90ストラダーレ、F8トリブート/F8スパイダーではこの位置にプランシングホースがない)。
それにしてもレンズ一枚でここまで雰囲気が変わるとは・・・。
ホットロッド並みに深いリム、そしてぶっとく分厚いタイヤがナイス(よくこのサイズがあったな・・・)。
このエアクリーナーボックスはワンオフのカーボン製とのこと。
特徴的な512BBのロゴ。
こちらがF512Mのエンジン。
外装同様、かなり美しい状態を保っているようですね。
インテリアはフルブラック。
シートは「デイトナ」ですね。
ステアリングホイールはMOMO製、そしてイエローのセンターマーク入り。
スイッチ類のコンディションもなかなか良さそう。
妙なセクシーさすら感じさせるデザインそして作りを持っていますね。
この美しいフェラーリ512BBの予想落札価格は225,000ドルから275,000ドル(約3000万円)とされていますが、あまりに安いような気も。
もしかすると「オリジナルの状態を保っていない」ということで評価が低いのかもしれません。