| 見た目はラリーカーの「ランチア・ストラトス」そのもの |
さて、何かと世の中を騒がせた「ランチア・ストラトスの現代版」、ニュー・ストラトス。
この「ニュー・ストラトス」は、もともと2010年に、ピニンファリーナのデザインにて、フェラーリ430スクーデリアをベースにマニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノ(MAT)が製作する予定であったものの、おそらくはフェラーリから「待った」がかかったと見られ、計画が凍結されることに。
ただしその後2018年に急転直下「プロジェクトが解凍」されていますが、ぼくはこの理由について「ピニンファリーナとフェラーリとの関係が切れた(フェラーリがそのデザインをインハウスに切り替えた)」ためだろう、と考えています。
ニューストラトスは25台のみの限定販売
そしてこのニューストラトスですが、マニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノはこれを25台のみ製作すると公表し、実際にいくつかの個体を製造していますが、今回はその「ごく初期の個体」が2月にボナムズがパリにて開催するオークションにかけられる、とのこと。
そしてこの個体の最大の特徴は、見ての通り「アリタリアカラー」。
言うまでもなくラリーにて活躍したランチア・ストラトスのカラーをモチーフにしたものですが、イエローのホイールまでもが再現されています。
ニューストラトスの車体は上述のように430スクーデリアをベースとしていますが、ランチア・ストラトスよろしく「ショートホイールベース」にこだわり、430スクーデリア比で20ミリ短縮。
さらにはスチールにてパッセンジャーセルが補強され、強力無比なシャシーを誇ります。
ちなみにこのニューストラトスの「コンバージョン費用」は約7000万円ほどとアナウンスされていますが、これは「ベースとなる車両抜き」。
つまりフェラーリ430スクーデリアを別途用意する必要があるということで、総額1億円ほどは見ておかねばならないということに。
今回売りに出されている車両については走行約3,000キロのフェラーリ430スクーデリアをニューストラトスにコンバートしたもので、完成したのは昨年、登録されたのは2019年3月25日。
予想落札価格は8500万円〜1億円ほどであろうとアナウンスされています。
エンジンももちろん430スクーデリアの4.3リッターV8を使用しており、しかし出力は+37馬力の540馬力。
トランスミッションは6速マニュアル、そして車体は50キロ軽量化されているとのことなので、ショートホイールベース化と相まって痛快極まりない走りができそうです。
カウルの開閉方法もフェラーリ430スクーデリアとは全く異なり、オリジナルのランチア・ストラトスと同じ方法に。
コンバート時にはある程度のレストアが施されていると見え、見た感じは「まるっきり新車」。
ニューストラトスのインテリアはこうなっている
そしてこちらはニューストラトスのインテリア。
ある程度は430スクーデリアの印象を残しているものの、基本的には「作り直されている」と考えて良さそう。
シートはフルバケット、そしてレーシングハーネス。
インテリアはアルカンターラ、そしてカーボンが中心。
エアクリーナーボックスも一新され、出力をあらわす「540」の文字。
ランチア・ストラトス復刻版「ニューストラトス」発進準備完了!まず2台が製造され、ベースとなるフェラーリ430スクーデアリアにはない「マニュアル」も用意されると発表